○国分寺市オンブズパーソン条例

平成14年12月24日

条例第50号

(目的及び設置)

第1条 市民の市政に関する苦情を公正かつ中立的な立場で簡易迅速に処理し、並びに行政の非違の是正等の勧告及び制度の改善を求めるための意見を表明することにより、市民の権利利益の擁護を図り、もって開かれた市政のより一層の進展と市政に対する市民の信頼の向上に資することを目的として、本市に国分寺市オンブズパーソン(以下「オンブズパーソン」という。)を設置する。

(所管事項)

第2条 オンブズパーソンの所管する事項は、市の機関(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2(公の施設の設置、管理及び廃止)第3項の規定により公の施設(同法第244条(公の施設)第1項に規定するものをいう。)の管理を行わせるものとして市が指定する指定管理者を含む。以下同じ。)の業務の執行に関する事項及び当該業務に関する職員の行為とする。ただし、次に掲げる事項については、オンブズパーソンの所管事項としない。

(1) 判決、裁決等により確定した権利関係に関する事項

(2) 議会に関する事項

(3) 職員の自己の勤務内容に関する事項

(4) オンブズパーソンの行為に関する事項

(5) オンブズパーソンにより既に苦情の処理が終了している事項

(平成17年条例第31号・一部改正)

(オンブズパーソンの職務)

第3条 オンブズパーソンの職務は、次のとおりとする。

(1) 市政に関する苦情の申立ての内容を調査し、及び苦情を簡易迅速に処理すること。

(2) 自己の発意に基づき、事案を取り上げて調査すること。

(3) 申立てに係る苦情又は自己の発意に基づき取り上げた事案(以下「苦情等」という。)について、市の機関に対し非違の是正又は制度の改善の措置(以下「是正等の措置」という。)を講ずるよう勧告すること。

(4) 苦情等の原因が制度そのものに起因すると認めるときは、当該制度の改善を求めるための意見を表明すること。

(5) 勧告、意見表明等の内容を公表すること。

(オンブズパーソンの責務)

第4条 オンブズパーソンは、市民の権利利益を擁護するため、公平かつ適切にその職務を遂行しなければならない。

2 オンブズパーソンは、その職務の遂行に当たり、市民の権利利益を擁護し、並びに市政を監視し、及び市政の改善を図る他の諸制度と有機的な連携を図ること等により、その役割を効果的に果たすよう努めなければならない。

3 オンブズパーソンは、その地位を政治又は営利目的のために利用してはならない。

4 オンブズパーソンは、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(市の機関の責務)

第5条 市の機関は、オンブズパーソンの職務の遂行に関し、その独立性を尊重しなければならない。

2 市の機関は、オンブズパーソンの職務の遂行に関し、積極的に協力援助を行わなければならない。

(市民の責務)

第6条 市民は、この条例の目的を達成するため、この制度の適正かつ円滑な運営に協力しなければならない。

(オンブズパーソンの組織等)

第7条 オンブズパーソンの定数は、2人以内とする。

2 オンブズパーソンは、人格が高潔で社会的信望が厚く、地方行政に関する優れた識見及び市民感覚を有する者のうちから、市長が議会の同意を得て委嘱する。

3 オンブズパーソンの任期は2年とし、1期に限り再任することができる。

4 オンブズパーソンは、別に定めるところにより報酬を受ける。

(兼職等の禁止)

第8条 オンブズパーソンは、衆議院議員若しくは参議院議員、地方公共団体の議会の議員若しくは長又は政党その他の政治団体の役員と兼ねることができない。

2 オンブズパーソンは、市と特別な利害関係のある企業その他の団体の役員と兼ねることができない。

3 オンブズパーソンは、市の機関に属する者と兼ねることができない。

(解嘱)

第9条 市長は、オンブズパーソンから辞職の申出があったとき又はオンブズパーソンが心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認めるとき若しくは職務上の義務違反その他オンブズパーソンとしてふさわしくない行為があると認めるときは、議会の同意を得て委嘱を解くことができる。

2 オンブズパーソンは、前項に規定する場合を除くほか、その意に反して委嘱を解かれることがない。

(苦情の申立て)

第10条 市の機関の業務の執行に関する事項又は当該業務に関する職員の行為について利害関係を有する者は、何人も、オンブズパーソンに対し苦情を申し立てることができる。

(苦情の申立手続)

第11条 前条の規定による苦情の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面により行わなければならない。ただし、書面によることができない場合は、口頭により申立てをすることができる。

(1) 苦情を申し立てようとする者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、名称、事務所又は事業所の所在地及び代表者の氏名)

(2) 苦情の申立ての趣旨及び理由並びに原因となった事実のあった年月日

(3) 前2号に掲げるもののほか、規則で定める事項

2 苦情の申立ては、代理人により行うことができる。

(苦情の調査等)

第12条 オンブズパーソンは、苦情の申立てが次の各号のいずれかに該当すると認めるときを除き、当該苦情を調査しなければならない。

(1) 第2条ただし書の規定に該当するとき。

(2) 苦情の内容が、苦情の申立ての原因となった事実のあった日から1年を経過しているとき。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

(3) 虚偽その他正当な理由がないと認めるとき。

(4) 前3号に掲げるもののほか、調査することが相当でないと認めるとき。

2 オンブズパーソンは、前項各号に該当するため苦情を調査しない場合は、その旨を理由を付して苦情申立人に速やかに通知しなければならない。

(調査の通知等)

第13条 オンブズパーソンは、苦情等を調査する場合は、関係する市の機関に対し、その旨を通知するものとする。

2 オンブズパーソンは、苦情等の調査を開始した後においても、その必要がないと認めるときは、調査を中止し、又は打ち切ることができる。

3 オンブズパーソンは、申立てに係る苦情の調査を中止し、又は打ち切ったときは、その旨を理由を付して苦情申立人及び第1項の規定により通知した市の機関に速やかに通知しなければならない。

4 オンブズパーソンは、自己の発意に基づき取り上げた事案の調査を中止し、又は打ち切ったときは、その旨を理由を付して第1項の規定により通知した市の機関に速やかに通知しなければならない。

(調査の方法)

第14条 オンブズパーソンは、苦情等の調査のため必要があると認めるときは、関係する市の機関に対し説明を求め、その保有する帳簿等関係書類その他の記録を閲覧し、若しくはその提出を求め、又は実地調査することができる。

2 オンブズパーソンは、苦情等の調査のため必要があると認めるときは、関係人又は関係機関に対し質問し、事情を聴取し、又は実地調査することについて協力を求めるものとする。

3 オンブズパーソンは、必要があると認めるときは、市長に対し、専門的又は技術的事項について、専門機関に調査、鑑定、分析等を依頼するよう求めることができる。

(苦情申立人への通知)

第15条 オンブズパーソンは、申立てに係る苦情の調査の結果について、調査を開始した日から60日以内に苦情申立人に通知するよう努めなければならない。

(勧告及び意見表明)

第16条 オンブズパーソンは、苦情等の調査の結果、必要があると認めるときは、関係する市の機関に対し是正等の措置を講ずるよう勧告することができる。

2 オンブズパーソンは、苦情等の調査の結果、その原因が制度そのものに起因すると認めるときは、関係する市の機関に対し当該制度の改善を求めるための意見を表明することができる。

(勧告の尊重又は意見表明の尊重)

第17条 前条の規定による勧告又は意見表明を受けた市の機関は、これを尊重しなければならない。

(報告等)

第18条 オンブズパーソンは、第16条第1項の規定により勧告をしたときは、市の機関に対し是正等の措置について報告を求めるものとする。

2 前項の規定により報告を求められた市の機関は、当該報告を求められた日から60日以内に、オンブズパーソンに対し是正等の措置について報告するものとする。ただし、当該期間内に是正等の措置を完了することができないときは、その旨を理由を付してオンブズパーソンに報告し、当該是正等の措置の完了後速やかにオンブズパーソンに対し是正等の措置について報告するものとする。

3 前項の場合において、是正等の措置を講ずることができない特別の理由があるときは、理由を付してその旨をオンブズパーソンに報告しなければならない。

4 オンブズパーソンは、申立てに係る苦情について第16条の規定により勧告したとき若しくは意見を表明したとき又は前2項の規定による報告があったときは、その旨を苦情申立人に速やかに通知しなければならない。

(公表)

第19条 オンブズパーソンは、第16条の規定による勧告若しくは意見表明又は前条の規定による報告の内容を公表するものとする。

2 オンブズパーソンは、前項の規定による公表をするときは、個人情報等の保護について最大限の配慮をしなければならない。

(事務局)

第20条 オンブズパーソンに関する事務を処理するため、事務局を置く。

(運営状況の報告)

第21条 オンブズパーソンは、毎年、この条例の運営状況について市長及び議会に報告するとともに、これを公表するものとする。

(委任)

第22条 この条例の施行について必要な事項は、別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第10条から第21条までの規定は、規則で定める日から施行する。

(平成15年規則第15号で附則第1項ただし書に規定する規定は、平成15年4月1日から施行)

(国分寺市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

2 国分寺市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和40年条例第45号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(平成17年条例第31号)

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

国分寺市オンブズパーソン条例

平成14年12月24日 条例第50号

(平成17年9月29日施行)