○国分寺市消費生活条例

平成22年3月31日

条例第3号

国分寺市消費者を守る条例(昭和50年条例第15号)の全部を改正する。

目次

第1章 総則(第1条―第8条)

第2章 消費者への支援(第9条―第11条)

第3章 消費者被害の防止(第12条・第13条)

第4章 消費者被害の救済(第14条―第26条)

第5章 国分寺市消費生活審議会(第27条―第33条)

第6章 雑則(第34条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、消費者と事業者等との間の情報の質及び量並びに交渉力等の格差にかんがみ、消費者の利益の擁護及び増進に関し、消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念を定め、国分寺市(以下「市」という。)及び事業者等の責務並びに消費者の果たすべき役割を明らかにするとともに、市が実施する施策の基本となるべき事項を定めることにより、消費者の利益の擁護及び増進に関する総合的な施策(以下「消費者施策」という。)の推進を図り、もって消費生活の安定及び向上を確保することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 市民 市の区域内に住む者又は市内で働く者、学ぶ者若しくは公益的な活動を行う個人をいう。

(2) 消費者 市民のうち、事業者等が供給する商品若しくはサービスを使用し、又は利用して生活する者をいう。

(3) 事業者等 事業活動又は公益的な活動を行うものをいう。

(4) 商品 消費者が消費生活を営む上において使用するものをいう。

(5) サービス 消費者が消費生活を営む上において使用し、又は利用するもののうち、商品以外のものをいう。

(6) 消費者団体 消費者の権利の実現及び消費生活の安定及び向上を目的とする団体をいう。

(基本理念)

第3条 消費者施策の推進は、市民の消費生活における基本的な需要が満たされ、その健全な消費生活を営むことができる環境が確保される中で、次に掲げる事項が消費者の権利であることを尊重するとともに、消費者が自らの利益の擁護及び増進のため、自主的に行動することができるよう消費者の自立を支援することを基本として行わなければならない。

(1) 商品又はサービスによって、生命及び健康を侵されないこと。

(2) 商品又はサービスを適切に選択し、適正に使用又は利用をするため、適正な表示を行わせること。

(3) 商品又はサービスについて、不当な取引条件を強制されず、不適正な取引行為を行わせないこと。

(4) 事業者等によって不当に受けた被害から、公正かつ速やかに救済されること。

(5) 必要な情報の提供及び教育の機会の提供が確保されること。

(6) 消費者の意見が消費者施策に反映されること。

(市の責務)

第4条 市は、消費者施策を通じて、消費者の権利を尊重し、市民の消費生活の安定及び向上を確保するものとする。

2 市は、市民の参加と協力の下に、消費者施策を実施するよう努めなければならない。

3 市は、消費者施策に市民の意見を反映することができるよう懇談会の開催その他の必要な措置を講ずるものとする。

4 市は、市民が消費生活の安定及び向上を図るため自主的に行う調査、研究、学習等の活動に対して、必要な援助及び協力を行うよう努めなければならない。

(国又は他の自治体との相互協力)

第5条 市は、消費生活に関する施策を実施するに当たり、必要に応じ、国又は他の自治体に対して、情報の提供、調査の実施その他の協力を求めなければならない。

2 市は、国又は他の自治体が実施する消費生活に関する施策について、情報の提供、調査の実施その他の協力を求められたときは、これに応ずるよう努めなければならない。

(事業者等の責務)

第6条 事業者等は、次に掲げる責務を有する。

(1) 消費者の安全及び消費者との取引における公正を確保すること。

(2) 消費者に対し必要な情報を明確かつ平易に提供すること。

(3) 消費者との間に生じた苦情を適切かつ迅速に処理するために必要な体制の整備等に努め、当該苦情を適切に処理すること。

(4) 国又は自治体が実施する消費者政策に協力すること。

(消費者の役割)

第7条 消費者は、消費者の権利の確立を目指し、自ら進んで消費生活に関する必要な知識を修得し、自主的かつ合理的に行動するとともに、市及び事業者等に対し主体的に意見を述べ、必要に応じて消費者相互の連携を図ることによって、消費生活の安定及び向上のために積極的な役割を果たすものとする。

(消費者団体の役割)

第8条 消費者団体は、消費生活に関する情報の収集及び提供並びに意見の表明を行うことに努めるとともに、消費者に対する啓発及び教育並びに消費者被害の防止及び救済の活動をするよう努めるものとする。

第2章 消費者への支援

(情報の収集及び提供)

第9条 市長は、市民の消費生活の安定及び向上を確保するために、消費生活に関する必要な情報を収集するとともに、市民に対し、その情報を提供するものとする。

(消費者教育)

第10条 市長は、消費者が自主性をもって健全な日常生活を営むことができるよう、消費生活に関する知識の普及を図り、情報の提供を行うとともに、消費者教育の充実等の施策を講ずるものとする。

(生活必需物資の確保)

第11条 市長は、市民の日常生活に必要な物資(次項において「生活必需物資」という。)の安定供給の確保のため、事業者等への指導のほか、他の自治体と連携強化を図る等、必要な施策の推進に努めなければならない。

2 事業者等は、生活必需物資について生産、流通等の円滑化及び価格の適正化に努めなければならない。

第3章 消費者被害の防止

(不適正な取引行為の禁止)

第12条 事業者等は、消費者との間で行う取引に関して、次に掲げる不適正な取引行為を行ってはならない。

(1) 消費者を訪問し、又は電話機、ファクシミリ装置その他の通信機器若しくは情報処理の用に供する機器を利用して広告宣伝等を行うことにより、消費者の意に反して、又は消費者にとって不適当な契約と認められるにもかかわらず若しくは消費者の判断力不足に乗じることにより、契約の締結を勧誘し、又は契約を締結させること。

(2) 法令等に定める書面(当該書面に記載すべき事項を記録した電磁的記録(電子的方法、磁気的方法その他人の知覚によっては認識することができない方法で作られた記録をいう。)を含む。)を消費者に交付する義務、広告における表示義務その他事業者等が消費者に情報を提供する義務に違反して、契約の締結を勧誘し、又は契約を締結させること。

(3) 消費者に対し、販売の意図を隠し、商品若しくはサービスの品質、安全性、内容、取引条件、取引の仕組み等に関する重要な情報であって、事業者等が保有し、若しくは保有し得るものを提供せず、若しくは誤信を招く情報を提供し、又は将来における不確実な事項について断定的判断を提供して、契約の締結を勧誘し、又は契約を締結させること。

(4) 消費者を威迫して困惑させ、若しくは迷惑を覚えさせるような方法で、又は消費者を心理的に不安な状態若しくは正常な判断ができない状態に陥らせ、契約の締結を勧誘し、又は契約を締結させること。

(5) 取引における信義誠実の原則に反し、消費者に不当な不利益をもたらすこととなる内容の契約を締結させること。

(6) 消費者又はその関係人を欺き、威迫して困惑させる等不当な手段を用いて、消費者又はその関係人に契約(契約の成立又はその内容について当事者間で争いのあるものを含む。)に基づく債務の履行を迫り、又は当該債務の履行をさせること。

(7) 契約若しくは法律の規定に基づく債務の完全な履行がない旨の消費者からの苦情に対し、適切な処理をせず、履行を不当に拒否し、若しくは遅延させ、又は継続的取引において、正当な理由なく取引条件を一方的に変更し、若しくは消費者への事前の通知をすることなく履行を中止すること。

(8) 消費者の正当な根拠に基づく契約の申込みの撤回、契約の解除若しくは取消しの申出若しくは契約の無効の主張に際し、これらを妨げて、契約の成立若しく存続を強要し、又は契約の申込みの撤回、契約の解除若しくは取消し若しくは契約の無効の主張が有効に行われたにもかかわらず、これらによって生じた債務の履行を不当に拒否し、若しくは遅延させること。

(9) 商品若しくはサービスを販売する事業者等又は取次店等実質的な販売行為を行うものからの商品又はサービスの購入を条件又は原因として信用の供与をする契約若しくは保証を受託する契約(以下この号において「与信契約等」という。)について、消費者の利益を不当に害することが明白であるにもかかわらず、その締結を勧誘し、若しくは締結させ、又は消費者の利益を不当に害する方法で与信契約等に基づく債務の履行を迫り、若しくは債務の履行をさせること。

(基準の設定及び告示)

第13条 市長は、第15条に規定する国分寺市被害救済委員会の意見を聴いて、前条各号に該当する不適正な取引行為の基準を定めることができる。

2 市長は、前項の規定により基準を定めたときは、これを告示しなければならない。

第4章 消費者被害の救済

(消費生活相談)

第14条 市長は、市民からの消費生活上の被害又は苦情の申出について必要な助言、仲介によるあっせんその他の措置を講ずるために、消費者安全法(平成21年法律第50号)第10条(消費生活センターの設置)第2項の規定による消費生活センターとして、国分寺市消費生活相談室(以下「相談室」という。)を置く。

2 市長は、相談室に消費生活相談室長(以下「相談室長」という。)その他必要な職員を置く。

3 相談室長は、相談室の事務を掌理する。

4 市長は、相談室に消費生活相談員(以下「相談員」という。)を置き、相談員の資格、職務等については、別に定める。

5 市長は、商品又はサービスに関し消費者と事業者等との間に生じた苦情を専門的知見に基づき適切かつ迅速に処理するため、相談員の人材の確保及び資質の向上その他の必要な施策を講ずるよう努めなければならない。

6 市長は、第1項の措置を講ずる必要があると認めるときは、当該被害又は苦情に係る事業者等その他の利害関係人に対し、資料の提出、報告又は説明の要求その他必要な調査を行うことができる。

7 市長は、相談業務により得られた情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の当該情報の適切な管理のために必要な措置を講ずるものとする。

(平成28年条例第24号・一部改正)

(国分寺市被害救済委員会の設置)

第15条 前条第1項に規定する申出のうち、市長による助言、仲介によるあっせんその他の措置によっては当該消費者の救済が図られる見込みがなく、かつ、市民の消費生活に著しく影響を及ぼし、又は及ぼすおそれがあると市長が認めるものについて、当該申出の公正かつ速やかな解決を図るため、あっせん又は調停(以下「あっせん等」という。)を行う市長の附属機関として、国分寺市被害救済委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

(所掌事項)

第16条 委員会は、あっせん等に関する事項を所掌する。

2 委員会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項について審議し、答申する。

(1) 第13条第1項に規定する不適正な取引行為の基準に関する事項

(2) 第26条第1項に規定する訴訟費用に関する事項

(組織等)

第17条 委員会は、法律又は消費者問題に関し、識見を有する者6人以内をもって組織し、市長が委嘱する。

2 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

3 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

4 委員は、自己若しくは父母、祖父母、配偶者、子、孫若しくは兄弟姉妹の一身上に関する事件又は自己若しくはこれらの者の従事する業務に直接の利害関係のある事件については、議事に加わることができない。

(運営)

第18条 委員会に会長及び副会長を置き、委員の互選によってこれを定める。

2 会長は、委員会を代表し、会務を総理する。

3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

(会議)

第19条 委員会は、会長が招集し、会議の議長となる。

2 委員会は、委員の過半数の出席がなければ会議を開くことができない。

3 委員会の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。

(意見の聴取等)

第20条 会長は、会議の運営上必要があると認めるときは、委員以外の者を会議に出席させ、その意見を聴き、又は委員以外の者から資料の提出を求めることができる。

(会議の公開)

第21条 委員会の会議は、公開とする。ただし、国分寺市附属機関の設置及び運営の基本に関する条例(平成11年条例第26号)第5条(会議の公開)ただし書の規定に該当する場合は、当該会議の全部又は一部を公開しないことができる。

(専門部会の設置)

第22条 委員会に、必要に応じ、専門部会を置くことができる。

2 専門部会の組織、運営等に関し必要な事項は、別に定める。

(庶務)

第23条 委員会及び専門部会の庶務は、市民生活部経済課において処理する。

(勧告)

第24条 市長は、委員会において、あっせん等が整わなかった場合、当該事業者等に対し、不適正な取引行為を是正するよう、又はあっせん等に応じるよう勧告しなければならない。

(公表)

第25条 市長は、前条に規定する勧告をした場合において、当該勧告を受けた事業者等が、正当な理由なく勧告に従わなかったときは、事業者等の氏名又は名称、苦情相談の内容、あっせん等が打切りになった事実及び経緯その他の重要な事項を公表することができる。

2 市長は、前項の規定により公表しようとするときは、あらかじめ当該事業者等にその理由を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。

(訴訟費用の貸付け)

第26条 市長は、事業者等の事業活動により被害を受けた消費者が事業者等を相手に訴訟を提起する場合又は事業者等に訴訟を提起された場合において、当該被害を受けた消費者が規則に定める要件を満たすときは、委員会の意見を聴いて、当該消費者に当該訴訟に係る費用の全部又は一部を貸し付けることができる。

2 貸付金は、無利子とする。

3 市長は、必要と認めるときは、貸付金の全部又は一部の償還を免除することができる。

4 前3項に定めるもののほか必要な事項は、別に定める。

第5章 国分寺市消費生活審議会

(国分寺市消費生活審議会)

第27条 消費者施策を推進するため、市長の附属機関として、国分寺市消費生活審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項を審議し、答申するほか、当該事項について市長に意見を述べることができる。

(1) 消費者施策等に係る重要事項に関すること。

(2) 消費者施策等に係る事項の進ちょく状況に関すること。

(3) この条例の改正に関すること。

(組織等)

第28条 審議会は、次に掲げる委員6人以内をもって組織し、市長が委嘱する。

(1) 公募により選出された消費者 2人以内

(2) 識見を有する者 2人以内

(3) 事業者団体の代表 2人以内

2 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

3 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(運営)

第29条 審議会に会長及び副会長を置き、委員の互選によってこれを定める。

2 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。

3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

(会議)

第30条 審議会は、会長が招集し、会議の議長となる。

2 審議会は、委員の過半数の出席がなければ会議を開くことができない。

3 審議会の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。

(意見の聴取等)

第31条 会長は、会議の運営上必要があると認めるときは、委員以外の者を会議に出席させ、その意見を聴き、又は委員以外の者から資料の提出を求めることができる。

(会議の公開)

第32条 審議会の会議は、公開とする。ただし、国分寺市附属機関の設置及び運営の基本に関する条例第5条ただし書の規定に該当する場合は、当該会議の全部又は一部を公開しないことができる。

(庶務)

第33条 審議会の庶務は、市民生活部経済課において処理する。

第6章 雑則

(委任)

第34条 この条例の施行について必要な事項は、別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成22年6月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現にこの条例による改正前の国分寺市消費者を守る条例の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この条例の相当規定によりなされたものとみなす。

(国分寺市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

3 国分寺市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和40年条例第45号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(平成28年条例第24号)

この条例は、平成28年7月1日から施行する。

国分寺市消費生活条例

平成22年3月31日 条例第3号

(平成28年7月1日施行)

体系情報
第6編 市民生活/第4章 消費・勤労
沿革情報
平成22年3月31日 条例第3号
平成28年6月24日 条例第24号