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国分寺市青少年問題協議会提言書

ページ番号 1015302  更新日  平成29年2月28日

提言「ひきこもり・不登校の子どもたちに地域ができること」

1 はじめに

 平成22年4月1日、「子ども・若者育成支援推進法」(以下「法」という。)が施行されました。法には、子ども・若者をめぐる環境が悪化し、社会生活を営む上での困難を有する子ども・若者問題が深刻な状況にあることを踏まえて、これらの子ども・若者やその家族を支援するためのネットワークの構築が規定されています。
 また、東京都においては、平成27年8月、法第9条に基づく都道府県子ども・若者計画として「東京都子供若者計画」を策定し、「基本方針(2)社会的自立に困難を有する子供・若者やその家族への支援」の項目で、「ひきこもり対策」の取組の方向性として、(1)相談支援の充実、(2)地域における支援体制の強化、(3)普及・啓発を挙げています。
 国分寺市(以下「市」という。)における、ひきこもり・不登校の子どもたちやその家族への支援体制については、ネットワーク構築等整備が十分に進んでいるとはいえない状況にあることから、今期の国分寺市青少年問題協議会は、上記の状況を踏まえ、「ひきこもり・不登校の子どもたちに地域ができること」をテーマに話し合いを行いました。

2 基本的な考え方

 ひきこもり・不登校等社会生活を営む上での困難を有する子ども・若者は、今現在において自立に向けた支援を行わないと、10年後・15年後にも同様の状態にある可能性が大きく、少子高齢化社会における地域社会にとっても大変な損失になるといっても過言ではありません。
 これら深刻な状況を解決するために、行政や地域社会が協力し支援体制を構築して対応することは、喫緊の課題ではないでしょうか。
 ひきこもりや不登校の状態にある本人や家族にとって、いきなり行政機関へ相談することには抵抗がありますが、身近な地域に「助けて」と言える環境があることによって、誰かに助けを求めること「受援力」に踏み出せるようになると考えます。
 また、地域に相談できる環境をつくるためには、身近な地域に親身になって気にかけてくれる人や相談につながる仕組み「地域力」が必要になります。
 ここでは、本提言の基礎となるこの2つの基本的な考え方を記します。

(1)「受援力」を身に付ける
 ひきこもりや不登校は、様々な要因により様々な年齢で起こります。
学校との関係がある中で起こる不登校については、学校や行政機関による相談・支援体制が整えられてきましたが、ひきこもりについては、学校との関係がない環境で起こり、また、これまではどちらかといえば社会的な関心があまり高くなかったこともあり、相談・支援体制は十分に整えられているとはいえない状況です。
 ひきこもりや不登校は、本人だけでなく親や兄弟等の家族が、大きな悩みや不安を抱えている場合が少なくありませんが、相談・支援にはつながらず、また、問題が家庭の中から表面化することも多くありません。
 これら悩み等を抱える者が、適切に相談・支援につながるための大きな力となるのは、自ら「助けて」という言葉を言える力「受援力」であると考えました。

(2)「地域力」を育てる
 ひきこもりや不登校は、家庭の中で起きています。本人だけでなく家族が抱える大きな悩みや不安は、相談体制が整備されていないこと、また、そもそも相談すること自体をためらう内容であることから、外に発信されることがありません。 しかし、一方では、いきなり行政機関等の相談機関への相談には抵抗があるが、地域の身近な“おせっかいな人”が時間をかけて信頼関係を作り上げ、相談・支援につながるきっかけとなる事例もあります。また、ひきこもりや不登校の存在は、地域の中では一定程度認識されている状況もあります。
 身近な地域に、親身になって気にかけてくれる人や相談につながる仕組み「地域力」を育てることは、現に悩みを抱える人を相談・支援につなげることができるだけでなく、予防としての効果も期待できると考えました。

3 提言

(1)地域ネットワークをつくる
 相談者の置かれている状況は千差万別です。家庭の中から表面化することが少ない支援を必要とする人達を、相談につなげるためには、相談者と行政等が設置する専門的な相談機関との間をつなげる、“つなげる役割”の存在がとても重要になります。この“つなげる役割”を地域が担うことにより支援につながりやすくなると考えます。
 地域では様々な人や団体(以下「団体等」という。)が活動しています。これらの団体等がひきこもりや不登校を正しく理解し、それぞれが知り得たタイムリーな内容を含む情報を共有・交換し、支援につなげる「地域ネットワーク」を構築することで、それぞれの団体等が相談窓口の機能を担い、相談内容によって専門・得意・経験のある個々の機関につなげることにより、効果的な支援が望めます。
 また、地域においては、将来への予防的な効果も期待できる「地域力」を育てる取組みとして、自治会・町内会・民生委員・NPO等地域の様々な団体等が連携し、乳幼児から高齢者まで地域に暮らす様々な世代が交流できる居場所づくり等の活動をさらに進めていくことも必要です。
 身近に相談できる団体等がいることは、早期の支援開始、地域による見守り、また、家庭への支援も可能となります。このような活動を継続し、ネットワークを通じて情報を共有していくことで、「地域力」は着実に育ち、「受援力」も身に付いていくものと考えます。
 地域ネットワークの構築については、市が地域の団体等が顔を合わせる場を設けることが必要です。その上で、例えば、既存の「地域福祉推進協議会」(注1)の構成員であるNPOや町会・自治会など民間団体を、地域ネットワークの構成員に加え、民間ネットワークと行政のネットワークの機能や役割を活かした支援体制を早急に構築することが望まれます。(地域支援ネットワーク図参照)

ネットワーク図

(2)「地域のおせっかいな人」の確保
 地域に相談できる環境をつくるためには、身近な地域に親身になって気にかけてくれる人や相談につながる仕組みが必要になります。具体的には、「身近な地域のおせっかいな人」的な人材の確保です。しかし、こうした人材を直ちに確保することは困難であると言わざるを得ません。
 そこで、市の社会福祉事業協力員に委嘱されている民生委員・児童委員は大きな力になると考えます。民生委員・児童委員は、市内の町丁ごとに約80人が配置され、地域における様々な活動を通じた情報収集力を有します。
 当面の対応として、民生委員・児童委員へ、「ひきこもり」や「不登校」の支援に関わる情報を十分に提供することで、早期の支援開始、地域による見守り、また、家庭への支援も可能になります。

(3)相談窓口をつくる
  不登校への対応について、不登校や登校渋りになったときには、学校では管理職を含めて保護者と一緒に面談をしています。また、相談窓口として、教育委員会が「教育相談室」を設置しています。
 ひきこもりへの対応については、市では庁内のひきこもり等支援に関係する課(以下「関係各課」(注3)という。)が定期的に連絡会を開催し、情報の共有と交換を行うことにより、関係各課が行う窓口等業務において、ひきこもりに係わる相談を受けた場合には、相談者に適した窓口や機関を案内しています。また、特に訪問支援を含む専門的な相談・支援につなげる場合には、子ども若者計画課が東京都の事業である「東京都ひきこもりサポートネット」へ情報提供を行い、都と連携しています。
 いずれにせよ、悩みや不安を抱える人に対しては、どこに相談すればよいのか、わかりやすく伝える必要があります。
 市には、現在ワンストップ型の窓口はありませんが、ワンストップ型は、当該窓口のみで相談者が抱えるすべての問題に対応できる機能を備えなくてはならなく、設置にあたってはいくつかの課題も考えられます。
 相談者が抱える問題は様々であるため、これらの問題に応じて、相談者を適切な機関につなぎ、相談者に寄り添う身近な窓口を、利便性等に十分配慮し整備することを望みます。

(4)広報・周知をさらに進める
 市や東京都の相談窓口や各種取組みは、市報やホームページで広報・周知を図っていますが、支援を必要とする人々へ十分に行き届いているとはいえない状況です。「ひきこもり」や「不登校」の人を対象とした広報・周知については、各家庭に届けられる市報は有効なツールになると考えられます。
 市報やホームページ掲載にあたっては、効果を高めるため、(1)相談機関や連絡先を明確に掲載する。(2)繰り返し掲載する。(3)相談事例(成功事例)を掲載する。(4)図などを活用して分かりやすく伝える工夫をする。などを意識する必要があると考えます。さらに、自治会回覧・社会福祉協議会だより等の様々な機関誌で広報し、情報を提供し続けることも必要です。
 また、「ひきこもり」や「不登校」の本人やその家族を、地域で支えていくためには、地域に暮らすすべての人々が、「ひきこもり」や「不登校」を正しく理解することが大切です。講演会開催などを通じて、理解を深める取組みにも期待します。

4 おわりに

 今期の国分寺市青少年問題協議会では、「ひきこもり」や「不登校」を対象とした相談・支援を実践している機関より講師を招いて講演会を開催し、相談事例等の講義を受けるとともに、講師との意見交換により各委員が理解を深めて、活発に議論してきました。
 2年間という限られた期間の中では、議論が十分に尽くされたとはいえませんが、方向性は示すことができたと考えます。
 市には、この提言の趣旨を十分に踏まえてさらに深い議論を重ね、具体的な施策として事業へと反映させることを求めるとともに、地域で活動する団体等の委員で構成する私たち国分寺市青少年問題協議会も、市と力を合わせて実現に向けて取り組みます。
 結びに、大きな悩みや不安を抱える「ひきこもり」や「不登校」の本人やその家族が、適切な相談・支援につながり、それぞれが地域に支えられながら、自立に向けた歩みを始めることを切に願い提言といたします。

【用語解説】
(注1) 地域福祉推進協議会・・・平成27年策定の国分寺市地域福祉計画により、地域福祉を担う人材の育成と活用を目的とし、市民や各種団体による地域福祉の情報や意見交換の場として設置された。
(注2) トライルーム・・・適応指導教室。不登校児童・生徒に対して、体験活動等を通して、児童・生徒一人ひとりと向き合い、学校復帰と社会的自立を目指した指導を行う。
(注3) 関係各課・・・経済課・生活福祉課・障害福祉課・健康推進課・子育て相談室・学校指導課・社会教育課・子ども若者計画課

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子ども家庭部 子ども若者計画課 若者支援担当
電話番号:042-325-0111(内線:390) ファクス番号:042-359-3354
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