○不利益処分についての不服申立てに関する規則
昭和42年4月17日
東市公規則第4号
第1節 総則
(目的)
第1条 この規則は、地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第8条第7項および第51条の規定にもとづき東京都市公平委員会を共同して設置する市および一部事務組合の職員(以下「職員」という。)の懲戒その他その意に反する不利益な処分(以下「処分」という。)についての審査請求または異議申立て(以下「不服申立て」という。)の手続および審査の結果執るべき措置に関し必要な事項を定めることを目的とする。
(当事者)
第2条 当事者とは、審査請求人または異議申立人(以下「不服申立人」という。)および処分者をいう。
2 処分について審査請求をする者を審査請求人と、異議申立てをする者を異議申立人と、処分を行なつた者を処分者という。ただし、処分者が当該処分を行なつた後においてその職を離れた場合には、その職またはこれに相当する職にある者を処分者とみなす。
(代理人)
第3条 当事者は、必要があるときは、代理人を選任し、および解任することができる。
2 東京都市公平委員会(以下「公平委員会」という。)は、審査の円滑迅速な進行と公正な運営を期するため特に必要があると認めるときは代理人の数を制限することができる。
3 当事者は、代理人を選任し、または解任した場合においては、その者の氏名、住所および職業を公平委員会に届け出なければならない。
(代理人の権限)
第3条の2 代理人は、本人のために、その事案の審査に関し必要な行為をすることができる。ただし、不服申立ての全部または一部を取り下げることはできない。
2 代理人の行なつた行為は、本人が直ちに取り消し、または訂正したときはその効力を生じない。
(昭和42年東市公規則第8号・追加)
第2節 不服申立て
(不服申立て)
第4条 処分についての法第49条の2第1項の規定による不服申立ては、審査請求書または異議申立書(以下「不服申立書」という。)正副各1通を公平委員会に提出しなければならない。
2 不服申立書には、次の各号に掲げる事項を記載し、不服申立人が署名押印しなければならない。
(1) 処分を受けた者の氏名・住所(連絡先が異なるときは連絡先を併記)および生年月日
(2) 処分を受けた者の、処分を受けた当時の所属団体名、職名および所属部課、その者が現に職員である場合にはその職名ならびに所属部課
(3) 処分者の職名および氏名
(4) 処分の内容および処分を受けた年月日
(5) 処分があつたことを知つた年月日
(6) 処分に対する不服申立の趣旨および不服の具体的事由
(7) 口頭審理を請求する場合は、その旨および公開または非公開の別
(8) 法第49条第1項または第2項に規定する処分説明書(以下「処分説明書」という。)の交付を受けた年月日。ただし、処分説明書を交付されなかつたときは、その事情
(9) 不服申立ての年月日
3 不服申立書には、正副ともに処分説明書の写し各1通を添付しなければならない。ただし、処分説明書が交付されなかつたときはその限りでない。
4 不服申立書に記載した事項に変更を生じた場合には、不服申立人は、そのつどその旨をすみやかに公平委員会に届け出なければならない。
(不服申立ての受理および却下)
第5条 不服申立書が提出されたときは、公平委員会は、その記載事項および添付書類ならびに処分の内容、不服申立人の資格および不服申立ての期限について調査し、不服申立てを受理すべきかどうかを決定しなければならない。
2 前項に規定する調査の結果、不服申立て書に不備の点があると認められるときは、公平委員会は、20日以内の期間を定めて、不服申立人にその補正を命ずることができる。ただし、不備の点が軽微であつて事案の内容に影響がないものと認められるときは、公平委員会は、職権でこれを補正することができる。
3 不服申立人が前項本文の場合において所定の期間内に不備を補正しなかつたときは、公平委員会は、不服申立てを却下することができる。
4 公平委員会は、不服申立てを受理すべきものと決定したときは、その旨を当事者に通知するとともに、処分者に不服申立書の副本を送付しなければならない。不服申立てを却下すべきものと決定したときは、その旨を不服申立人に通知しなければならない。
第3節 審査の手続
(審査員および審査補佐員の指名)
第6条 第4条に定める不服の申立てがあつた場合には、公平委員会は、委員のうちから事案の審査を担当する審査員を指名することができる。
2 2人以上の審査員があるときは、公平委員会はうち1人を審査委員長として指名する。
3 公平委員会は、事案の審査に関する事務を補佐させるため、事務職員のうちから審査補佐員を指名することができる。
(審査委員長、審査員等の職務権限)
第7条 審査員は、当該事務に関し、書面審理、口頭審理その他事案の審査に関する公平委員会の権限を行使することができる。ただし、2人以上の審査員があるときは、審査員長が審理を指揮する。
2 審査委員長は、相当と認めるときは、一部の審査員に審査に関する事務の一部を処理させることができる。
3 審査補佐員は、審査員の指揮のもとに審査に立会い、審査員を補佐するものとする。
(忌避の申立て)
第8条 公平委員会が指名した審査補佐人のうち、当事者の配偶者または4親等以内の親族関係にある者、その他審理の公正を妨げるおそれがある者について、当事者は書面をもつて事情を明らかにし、かつ証拠をそえて忌避の申立てを行なうことができる。
2 公平委員会は、前項の忌避の申立てを理由があると認めるときは、その者の指名を取り消すものとする。
(審査の併合および分離)
第9条 公平委員会は、当事者の申請または職権により、同一または相関連する事案に係る数個の不服申立てを併合して審査することが適当と認めるときは、これを併合して審査することができる。公平委員会は必要があると認めるときは、併合した審査を分離することができる。
2 前項の規定により審査を併合し、または分離して行なう場合においては、公平委員会はその旨を当事者に通知しなければならない。
(昭和42年東市公規則第8号・一部改正)
(代表者)
第9条の2 審査の併合に係る事案の不服申立人は、それらのうちから代表者1名を選任し、および解任することができる。
2 不服申立人が代表者を選任し、または解任したときは、その者の氏名を公平委員会に届け出なければならない。
3 代表者は不服申立人のために、その事案の審査に関する一切の行為をすることができる。ただし、不服申立ての全部または一部を取り下げることはできない。
4 代表者が選任されている場合には、不服申立人に対する通知その他の行為は、代表者にすれば足りるものとする。
(昭和42年東市公規則第8号・追加)
(書面の審理)
第10条 公平委員会は、書面審理を行なう場合においては、期限を定めて、不服申立人に対し証拠の提出を求めるとともに、期限を定めて、処分者から答弁書および証拠の提出を求めるものとする。
2 公平委員会は、答弁書が提出された場合には、不服申立人にその写を送付し、必要があると認めたときは、期限を定めて反論書の提出を求めることができる。
3 公平委員会は、反論書が提出された場合には、処分者にその写しを送付しなければならない。
4 公平委員会は、必要があると認めたときは、当事者に質問し、または立証を求めることができる。
5 当事者は、審査が終了するまでは、公平委員会に対し、口頭で意見を述べる機会を与えられるよう申し出ることができる。
6 公平委員会は、必要があると認めるときは、職権で証拠調べをすることができる。
7 当事者は、審査が終了するまでは、何時でも公平委員会に対し、証拠の申立てをすることができる。ただし、公平委員会が必要がないと認めるときは、これを取り調べないことができる。
8 公平委員会による証人の喚問は、次の各号に掲げる事項を記載した呼出状により行なわなければならない。
(1) 証人として指名された者の氏名、住所および職業
(2) 出頭すべき日時および場所
(3) 陳述を求めようとする事項
9 公平委員会は、証人に対して陳述を求めようとする場合においては、あらかじめ宣誓を行なわせなければならない。
10 公平委員会は、証人に対し、口頭による陳述にかえて、次の各号に掲げる事項を記載した書面で、口述書の提出を求めることができる。
(1) 口述書を提出すべき証人の氏名、住所および職業
(2) 口述書を提出すべき日時および場所
(3) 口述書により陳述を求めようとする事項
11 公平委員会は、必要があると認めるときは、証人相互の対質を求めることができる。
12 公平委員会が書証を所持する者に対して書類またはその写しの提出を求める場合においては、次の各号に掲げる事項を記載した書面で、これを行なわなければならない。
(1) 書類またはその写しを提出すべき者の氏名、住所および職業
(2) 書類またはその写しを提出すべき日時および場所
(3) 提出すべき書類またはその写し
13 公平委員会は、書面審理を終了したときは、次に掲げる事項を記載した調書を作成し各委員が署名押印しなければならない。
(1) 事案の表示
(2) 出頭した当事者代理人および証人
(3) 審理内容の概要
(4) 審理終了の年月日
(昭和42年東市公規則第8号・一部改正)
(口頭審理)
第11条 公平委員会は、口頭審理を行なう場合においては、そのつど書面で口頭審理の日時および場所を当事者に通知しなければならない。
4 公平委員会は、必要があると認めるときは、当事者相互、当事者と証人または証人相互の対質を求めることができる。
5 公平委員会は、口頭審理において、発言を許し、もしくはその指揮に従わない者の発言を禁止し、または公平委員会の職務の執行を妨げる者もしくは不当な行状をする者を退席させ、その他口頭審理における秩序を維持するために必要な措置をとることができる。
6 当事者の一方、その代理人および代表者がともに口頭審理の期日に正当な理由がなくて出席せず、または答弁書、反論書を提出せざるときは、相手方の主張した事実を承認したものとみなすことができる。
7 公平委員会は、口頭審理を終了するに先きだつて、当事者に対して、最終陳述をし、かつ、必要な証拠を提出することのできる機会を与えなければならない。
(昭和42年東市公規則第8号・一部改正)
(準備手続)
第12条 公平委員会は、必要があると認めるときは、公平委員会の委員または事務職員をして口頭審理の準備手続を行なわせることができる。
2 準備手続においては、当事者は、次に掲げる事項を協議しなければならない。
(1) 口頭審理の期日に関する事項
(2) 事実の整理に関する事項
(3) 証拠の整理に関する事項
(4) その他必要な事項
3 公平委員会は、準備手続における協議のつど、準備手続調書を職員に作成させなければならない。この場合においては、第10条第12項後段の規定を準用する。
(文書の送付)
第12条の2 文書の送付は、使送または書留郵便によつて行なう。
2 文書の送付は、これを受けるべき者の所在が知れないとき、その他文書を送付することができないときは、公示の方法によつてすることができる。
3 公示の方法による送付は、公平委員会が当該文書を保管し、いつでもその送付を受けるべき者に交付する旨、またはその内容の要旨を東京自治会館内掲示場に掲示してするものとする。この場合においては、掲示された日から14日を経過した時に当該文書の送付があつたものとみなす。
(昭和42年東市公規則第8号・追加、昭和47年東市公規則第3号・昭和50年東市公規則第2号・昭和51年東市公規則第1号・一部改正)
(不服申立ての取下げ)
第13条 不服申立人は、公平委員会が事案について裁決または決定を行なうまでの間は、何時でも、不服申立ての全部または一部を取り下げることができる。
2 不服申立ての取下げは、書面でその旨を公平委員会に申し出て行なわなければならない。
3 取下げのあつた不服申立ての部分については、初めから係属しなかつたものとみなす。
(審査の打切り)
第14条 公平委員会は、不服申立人の所在不明等により審査を継続することができなくなつたと認める場合または処分者による処分の取消し、修正等により審査を継続する必要がなくなつたと認める場合においては、審査を打ち切り不服申立てを棄却することができる。
第4節 審査の結果執るべき措置
(判定)
第15条 公平委員会は、審査を終了したときは、その結果にもとづいて、すみやかに判定を行ない、これを書面に作成しなければならない。
(1) 判定
(2) 理由
(3) 判定の年月日
3 公平委員会は、判定書の写しを当事者に送達しなければならない。この場合においては、当事者に判定に対する審査(以下「再審」という。)請求の権利がある旨をあわせて通知するものとする。
(指示)
第16条 公平委員会は、審査の結果、必要があると認めた場合においては、任命権者に対し書面で不服申立人がその処分によつて受けた不当な取扱いを是正するための指示をしなければならない。
第5節 再審
(再審の請求)
第17条 当事者は、次の各号の1に該当する場合においては、公平委員会に対し、再審を請求することができる。
(1) 判定の基礎となつた証拠が虚偽のものであると判明した場合
(2) 事案の審査の際提出されなかつたあらたなかつ重大な証拠が発見された場合
(3) 判定に影響を及ぼすような事実について、判断の遺漏が認められた場合
2 再審の請求は、判定書の送達を受けた日から3月以内に書面をもつて行なわなければならない。
(1) 再審の請求をする者の氏名、住所および生年月日
(2) 判定の内容およびその年月日
(3) 再審を請求する事由
(再審の請求の受理および却下)
第18条 公平委員会は、再審請求書が提出されたときは、その記載事項ならびに再審を請求する者の資格、再審の請求の期限および再審の請求の事由等について調査し、再審の請求を受理すべきかどうかを決定しなければならない。
2 公平委員会は、再審の請求を受理すべきものと決定したときは、その旨を当事者に通知するとともに、当事者の一方に再審請求書の副本を送付しなければならない。再審の請求を却下すべきものと決定したときは、その旨を再審を請求した者に通知しなければならない。
(職権による再審)
第19条 公平委員会は、第17条第1項各号に掲げる再審の事由があると認めるときは、職権により再審を行なうことができる。
(審査の結果執るべき措置)
第21条 公平委員会は、審査の結果にもとづいて、最初の判定を正当であると認める場合には、これを確認し、不当であると認める場合には、最初の判定を修正し、またはこれにかえてあらたに判定を行なわなければならない。
第6節 審査および再審の費用
(審査および再審の費用)
第22条 審査および再審の費用は、次の各号に掲げるものを除くほか、それぞれ当事者の負担とする。
(1) 公平委員会が喚問した証人の宿泊料、旅費および日当
(2) 公平委員会が行なつた証拠調べに関する費用
第7節 雑則
(雑則)
第23条 この規則に定めるものを除くほか、処分についての不服申立ての手続および審査の結果執るべき措置に関し必要な事項は、公平委員会が定める。
付則
この規則は、公布の日から施行する。
付則(昭和42年東市公規則第8号)
(施行期日)
第1条 この規則は、公布の日から施行する。
(経過規定)
第2条 この規則による改正後の不利益処分についての不服申立てに関する規則(以下「新規則」という。)第11条第3項の規定は、この規則の施行前にこの規則による改正前の不利益処分についての不服申立てに関する規則(以下「旧規則」という。)第11条第2項の規定により提出を求めた答弁書または反論書については、適用しない。
2 公平委員会は、この規則の施行前に旧規則第11条第2項の規定により、答弁書または反論書が提出されているときは、当該答弁書または反論書について、期限を定めて補正を命ずることができる。補正後の答弁書または反論書については、新規則第11条第3項の規定を適用する。
3 公平委員会は、この規則の施行前に旧規則第11条第2項の規定により、答弁書または反論書の提出が求められ、いまだ当該答弁書または反論書が提出されていないときは、当該答弁書または反論書について、あらたに期限を定めて、提出を求めることができる。この場合において、新規則第11条第3項の規定を適用する。
附則(昭和47年東市公規則第3号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則(昭和50年東市公規則第2号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則(昭和51年東市公規則第1号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則(平成28年東市公規則第1号)抄
(施行期日)
1 この規則は、平成28年4月1日から施行する。