○国分寺市地域建設業経営強化融資制度に伴う債権譲渡の承諾に関する要綱

平成30年3月30日

要綱第3号

(趣旨)

第1条 この要綱は、国分寺市(以下「市」という。)と工事請負契約(以下「請負契約」という。)を締結している中小・中堅元請建設事業者(資本の額若しくは出資の総額が2,000,000,000円以下又は常時使用する従業員の数が1,500人以下の建設業者その他これに類する者をいう。以下同じ。)が、地域建設業経営強化融資制度(地域建設業経営強化融資制度について(平成20年国総建第197号・国総建整第154号)による地域建設業経営強化融資制度をいう。以下「融資制度」という。)を利用する場合において、市が工事代金債権の譲渡(以下「債権譲渡」という。)の承諾をする際に必要な手続を定めるものとする。

(対象工事)

第2条 市が債権譲渡の承諾をすることができる工事は、次の各号のいずれにも該当するものとする。

(1) 契約金額(契約変更により契約金額が変更となった場合は、債権譲渡の承諾申請を行った時点における契約金額をいう。)が10,000,000円以上の工事であって、競争入札により受注者が決定されたものであること。

(2) 対象工事の進捗率が全体の2分の1以上であること。

(3) 次のいずれかに該当する工事であること。

 債権譲渡の承諾に係る申請日の属する年度内に完了することが見込まれる工事

 債務負担行為に係る工事又は前年度から繰り越される工事にあっては、債権譲渡の承諾申請時において、次年度に工期末を迎え、かつ、残工期が1年未満である工事

(4) 次に掲げる場合のいずれにも該当しないこと。

 債権譲渡の承諾申請時において、当該請負契約の履行期限まで2週間に満たない場合

 受注者が国分寺市契約事務規則(昭和40年規則第5号。以下「規則」という。)第69条(処理)第1項第3号及び第4号に該当する場合

 一切の債権譲渡を禁止する旨の定めのある場合

 履行保証を付したもののうち市が役務保証を必要とする場合

 地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の10(一般競争入札において最低価格の入札者以外の者を落札者とすることができる場合)第1項又は第167条の10の2第2項(同法第167条の13(指名競争入札の入札保証金等)の規定により準用する場合を含む。)の規定により低入札価格調査の対象となった者と契約した場合

 その他市長が債権譲渡が不適当と認める場合

(債権譲渡人)

第3条 市が債権譲渡を承諾できる工事代金債権の譲渡人(以下「債権譲渡人」という。)は、融資制度を利用する中小・中堅元請建設業者とする。この場合において、債権譲渡人が建設共同企業体であるときは、その構成員の全部が中小・中堅元請建設業者でなければならない。

(債権譲受人)

第4条 市が債権譲渡を承諾できる工事代金債権の譲受人(以下「債権譲受人」という。)は、中小・中堅元請建設業者への資金供給の円滑化に資する資金の貸付事業(電子記録債権(電子記録債権法(平成19年法律第102号)第2条(定義)第1項に規定する電子記録債権をいう。以下同じ。)の発行をいい、特定目的会社に対する電子記録債権の発行に関する指示を含む。以下同じ。)を行う者であって、次の各号のいずれかに該当するもののうち、一般財団法人建設業振興基金(以下「振興基金」という。)から債務保証承諾書(根保証用)の発行を受けたものとする。

(1) 中小企業等協同組合法(昭和24年法律第181号)に規定する事業協同組合(事業協同組合連合会等を含む。)

(2) 建設業の実務に関して専門的な知見を有すること、融資制度に係る中小・中堅元請建設業者への貸付事業を確実に実施できる財産的基盤及び信用を有すること等の要件を満たす者として振興基金が被保証者として適当と認める民間事業者

(譲渡の対象となる工事代金債権の範囲)

第5条 工事が完成した場合における譲渡の対象となる工事代金債権の額は、規則第60条(検査員及び検収員の一般的職務)第1項に規定する検査に合格し、引渡しを受けた既済部分に相応する工事代金額から、既に支払いをした前払金、中間前払金、部分払金及び当該請負契約により発生する市の請求権に基づく金額を控除した額とする。

(譲渡することができる工事代金債権の範囲)

第6条 融資制度において譲渡することができる工事代金債権は、債権譲受人が債権譲渡人に対して有する債権のうち次に掲げるものとする。

(1) 債権譲受人から債権譲渡人に対して支払う当該工事に係る貸付金

(2) 公共工事の前払金保証事業に関する法律(昭和27年法律第184号)第2条(定義)第4項に規定する保証事業会社(以下「保証事業会社」という。)が当該工事に関して当該債権譲渡人に対して有する金融保証に係る求償債権

(債権譲渡の承諾申請)

第7条 債権譲渡人及び債権譲受人は、債権譲渡の承諾申請をする場合は、あらかじめ、両者で、市の債権譲渡の承諾を停止条件とする債権譲渡契約を締結し、共同して次の書類を市長に提出しなければならない。この場合において、書類の提出は、市に持参して行うものとする。

(1) 債権譲渡承諾依頼書 3通

(2) 締結済みの債権譲渡契約証書の写し 1通

(3) 工事履行報告書 1通

(4) 発行日から3月以内の債権譲渡人及び債権譲受人の印鑑証明書 各1通

(5) 請負契約締結時の債権譲渡人の印が使用印又は代理人印(以下「使用印等」という。)である場合は、建設工事等競争入札参加資格審査受付票の写し 1通

(6) 契約保証金相当額を保険又は保証によって担保されている工事で、保険又は保証約款等により当該保険会社又は保証会社の承諾が義務付けられている場合は、必要な承諾を受けている旨を証するもの(約款等の写しが添付され、該当する条項が明示されたものに限る。) 1通

(7) 振興基金が発行する債務保証承諾書(根保証用)の写し 1通

(8) 前各号に掲げるもののほか市長が必要と認める書類

2 前項の規定にかかわらず、委任状の提出により、債権譲渡人及び債権譲受人のいずれかが単独で書類の提出をすることができる。

3 第1項第4号に掲げる書類は、他の工事に係る債権譲渡承諾の申請において、当該申請の日から3月以内に発行された印鑑証明書が提出されている場合は、その提出を省略することができる。

4 建設共同企業体にあっては、代表者が債権譲渡承諾申請の手続を行うものとする。この場合において、代表者は、共同企業体として融資制度の利用について構成員の全員が同意していることを確認するものとし、構成員は、債権譲渡承諾申請の手続に関する権限の委任状を市長に提出するものとする。

(債権譲渡の承諾)

第8条 市長は、前条の規定による債権譲渡の申請を受けた場合は、当該申請により提出された書類を確認し、次条第1項各号に該当するときを除き、速やかに債権譲渡の承諾を行うものとする。

2 前項の承諾は、債権譲渡承諾書を債権譲渡人及び債権譲受人にそれぞれ1通を交付することにより行う。

3 市長は、債権譲渡の承諾をしたときは、債権譲渡整理簿に必要事項を記載するものとする。

(債権譲渡の不承諾)

第9条 市長は、債権譲渡の申請に係る工事が、次に掲げる場合に該当するときは、債権譲渡の承諾をしないものとする。

(1) 第2条各号に掲げる工事に該当しないと認められる場合。

(2) 第3条に規定する債権譲渡人に該当しないと認められる場合。

(3) 第7条第1項各号に掲げる申請書類の確認により承諾を行うことが不適当と認められる場合。

2 市長は、前項の規定により債権譲渡の承諾をしないときは、速やかに債権譲渡人及び債権譲受人に債権譲渡不承諾通知書により通知するものとする。

(出来高の確認)

第10条 債権譲受人は、融資制度に基づき工事の出来高を確認するため工事現場への立入り等の必要があるときは、あらかじめ市に連絡するものとする。

2 市は、債権譲受人から前項の立入り等を求められた場合は、工事に支障のない範囲内で認めるものとする。

3 債権譲受人は、工事現場に立ち入る際は、身分を証明するものを持参するものとし、市から求められた場合は、速やかにこれを提示しなければならない。

(融資実行の報告)

第11条 債権譲渡人及び債権譲受人は、第8条の承諾後、金銭消費貸借契約を締結し、当該契約に基づき融資が実行された場合には、速やかに融資実行報告書を提出するものとする。

2 債権譲渡人は、当該工事に関する資金の貸付けを受けるため、保証事業会社による金融保証を受けた場合は、速やかに公共工事金融保証証書の写しを提出しなければならない。

(契約変更の場合の取扱い)

第12条 債権譲渡承諾後に当該請負契約の内容に変更が生じ、工事代金が増減した場合の工事代金債権の額は、増額の場合にあっては債権譲渡承諾時の工事代金債権の額に当該増額した額を加えた額、減額の場合にあっては債権譲渡承諾時の工事代金債権の額から当該減額した額を減じた額とする。

2 債権譲渡人は、工事代金債権の額が変更された場合は、債権譲受人に契約変更の際に市に提出した承諾書の写しを提出するものとする。

3 債権譲渡人及び債権譲受人は、工事代金債権計算書(契約変更用)を作成し、市に提出するものとする。

(契約解除の場合の取扱い)

第13条 債権譲渡承諾後に当該請負契約が工事完成前に解除された場合の工事代金債権の額は、既済部分の検査に合格し、引渡しを受けた当該既済部分に相応する工事代金額から前払金、中間前払金、部分払金及び当該請負契約により発生する違約金等の市の請求権に基づく金額を控除した額とする。

2 債権譲渡を承諾した後に債権譲渡人の倒産等により当該請負契約が解除されたときは、市は、前項の規定により算出した工事代金債権の額を、債権譲受人に通知するものとする。

3 債権譲受人は、前項の規定による通知を受けたときは、工事代金債権計算書(契約解除用)を作成し、市に提出するものとする。この場合において、債権譲渡人の倒産等により、連署による工事代金債権計算書(契約解除用)の作成が不可能なときは、債権譲受人のみの記名押印でも可とする。

(工事代金の請求)

第14条 債権譲受人は、市による検査等の所定の手続を経て、部分払金及び工事代金(以下「工事代金等」という。)の額が確定したときに限り、譲り受けた工事代金債権の範囲内で、市に対し支払を請求することができる。なお、債権譲渡承諾後は、債権譲渡人は請負代金等の請求をすることができない。

2 債権譲受人は、確定した工事代金等の支払を市に請求するときは、工事代金請求書を市に提出するものとする。

(指名選定等における留意事項)

第15条 融資制度は、健全な元請企業が積極的に活用すべきものであるので、債権譲渡を申請したことをもって、競争入札における指名選定等において不利益な取扱いをしてはならない。

(様式)

第16条 この要綱の施行に関し必要な様式は、別に定める。

(委任)

第17条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は別に定める。

(施行期日)

1 この要綱は、平成30年4月1日から施行する。

(失効)

2 この要綱は、平成33年3月31日限りその効力を失う。

国分寺市地域建設業経営強化融資制度に伴う債権譲渡の承諾に関する要綱

平成30年3月30日 要綱第3号

(平成30年4月1日施行)