○国分寺市自治基本条例
平成20年12月2日
条例第43号
目次
前文
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 基本理念(第3条)
第3章 参加と協働(第4条―第11条)
第4章 情報の共有等(第12条―第15条)
第5章 議会の役割と責務(第16条―第19条)
第6章 執行機関の役割と責務(第20条―第25条)
第7章 市政運営(第26条―第34条)
第8章 最高規範(第35条)
第9章 委任(第36条)
附則
私たちのまち国分寺は、国分寺崖線や湧水群、史跡武蔵国分寺跡、さらには新田開発以降の人々の暮らしの中から生まれた農のある、緑豊かな住宅都市として発展を続けています。私たちは今、先人から受け継いだこのまちに住み、働き、学び、活動しています。私たちは、このまちを誇りにし、国分寺らしさを大切にしながら、福祉や環境、教育や文化など様々な分野において新たな個性を創造し、「住み続けたいまち、ふるさと国分寺」のまちづくりを、自らの手で進めたいと思っています。
私たちは、地域のことは市民自らが責任をもって決めていくことが市民自治の基本であり、国分寺市が自主性、自立性を高めることが地方主権を確立するために不可欠であると考えています。
私たちは、市民が主権者であり、国分寺市は、市民の信託によって創られてきたものであることを認識し、日本国憲法に基づいて、平和を希求し、人権を尊重し、男女平等のもと市民が生き生きと暮らし活動できるまちの実現を目指し、情報の共有、参加と協働を通じ、真の市民自治を確立し、地方自治の本旨を国分寺市において実現するため、ここに、国分寺市の最高規範として、自治基本条例を制定します。
(平成28年条例第20号・一部改正)
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、国分寺市(以下「市」といいます。)における自治の基本理念を明らかにするとともに、参加、協働、情報の共有等の仕組み及び市政運営の基本原則を定めることにより、市民主権を基本とする自治の実現を図ることを目的とします。
(1) 住民 市の区域内に住む者をいいます。
(2) 市民 前号に掲げる者又は市内で働く者、学ぶ者若しくは公益的な活動を行う個人をいいます。
(3) 事業者等 市内で事業活動又は公益的な活動を行う団体をいいます。
(4) 参加 市政へ市民の意思を反映させるため、政策の立案、実施及び評価のそれぞれの過程に市民が主体的にかかわることをいいます。
(5) 協働 市民及び事業者等(以下「市民等」といいます。)と市が対等の立場で能力を分かち合い、共通の目的の実現に向けて協力して取り組むことをいいます。
第2章 基本理念
(基本理念)
第3条 市民と市は、主権者である市民の意思が生かされる市政、市民の意思に基づいて自主的かつ自立的に運営される市政を目指します。そのため、市は、知る権利を保障し、参加と協働を推進します。
第3章 参加と協働
(参加の権利)
第4条 市民は、年齢、性別等にかかわりなく、自らの意思を市政に反映させるため、参加の権利を有します。
(参加と協働における市民等の責務)
第5条 市民等は、市民自治を推進する責任が自らにあることを認識し、参加と協働に当たっては、自らの言動に責任を持つとともに、互いの意見を尊重するように努めます。
(参加と協働の推進)
第6条 市は、次に掲げる政策の立案、実施及び評価のそれぞれの過程において参加の権利を保障し、協働を推進します。
(1) 基本構想(総合的かつ計画的な市政運営を図るための構想をいいます。以下同じ。)及びこれに基づく計画並びに基本的政策を定める計画及びこれに基づく実施計画(以下「基本構想等」といいます。)の策定
(2) 市政の基本的な政策に関する条例及び市民等に義務を課し、又は権利を制限する条例の制定改廃(地方税の賦課徴収金に関するものを除きます。)
(3) 市民生活又は地域に影響を及ぼす重要な施策及び制度の導入
(4) 重要な市の施設の設置又は運営に関する方針及び計画の策定
(平成28年条例第29号・一部改正)
(1) 市の附属機関への委員としての参加
(2) 公聴会、説明会、懇談会等への参加
(3) 個別の施策又は課題について検討を行うことへの参加
(4) パブリック・コメントへの参加
(5) アンケート調査その他必要と認める方法への参加
2 市は、前条に定める協働の推進に当たり、市民活動団体、地域コミュニティ等との連携を図ります。
(参加と協働における不利益取扱いの禁止)
第8条 市民等は、参加又は協働をすること又はしないことによって不利益な取扱いを受けることはありません。
(協働のための基盤整備)
第9条 市は、協働の推進に当たり、多様で開かれた場又は機会の創設、拡大等協働のための基盤整備に努めるとともに、市民活動団体、地域コミュニティ等に対して、その自主性を尊重しつつ、公の施設の積極的な活用等必要な支援を行うものとします。
(地域コミュニティ)
第10条 市民等は、地域の課題を地域で解決し、安全で安心して暮らせるきずなのあるまちを目指し、地域コミュニティづくりに努めます。
(住民投票)
第11条 市長は、市政に関する重要事項について、広く住民の意思を確認するため、住民投票を実施することができます。
2 市長は、住民投票の結果を尊重しなければなりません。
3 住民投票に付すべき事項、参加できる者の資格その他住民投票の実施に関し必要な事項は、条例で別に定めます。
第4章 情報の共有等
(情報公開)
第12条 市民等は、市が保有する公文書の公開を求める権利を有します。
2 市は、前項の権利を保障し、公正で透明な市政の実現を図るため、市が保有する公文書その他の情報の公開を総合的に推進しなければなりません。
(説明責任)
第13条 市は、政策の立案、実施及び評価のそれぞれの過程において、その内容を市民等にわかりやすく説明する責任があります。
(情報の共有)
第14条 市は、市民自治の理念を実現するため、市民等に対し市政に関する情報を積極的かつ迅速に公表し、市民等と情報の共有を図らなければなりません。
(個人情報の保護)
第15条 市は、個人の権利及び利益が侵害されることのないよう個人情報の取得、保有及び利用について、必要な措置を講じなければなりません。
2 市民は、市が保有する自己に関する個人情報の開示、訂正及び利用停止を求める権利を有します。
3 市は、市が保有する個人情報の不適切な取扱いにより個人の権利及び利益が侵害されたときは、速やかにその状況を調査し、原因を究明するとともに、必要な措置を講じなければなりません。
(令和5年条例第2号・一部改正)
第5章 議会の役割と責務
(議会の設置)
第16条 市は、市民の信託に基づく代表者による議事機関として、議会を設置します。
(議会の責務)
第17条 議会は、この条例の基本理念に基づいて、効率的かつ効果的な議会運営に努め、市民の信託に応えなければなりません。
2 議会は、議員によって構成された意思決定機関であり、その権限を行使し、市政運営の監視、政策の提案、決定等を行わなければなりません。
(議会の情報公開)
第18条 議会は、その保有する情報を市民に迅速かつ適切に提供し、情報公開を総合的に推進することにより、開かれた議会運営に努めるとともに、個人情報を保護しなければなりません。
2 議会は、わかりやすい議会運営を進めるとともに、意思決定過程を明らかにすることに努めなければなりません。
(議員の責務)
第19条 議員は、市民の代表者として誠実に職務を遂行しなければなりません。
2 議員は、審議能力、立法能力等を高めるための研さんに努めなければなりません。
第6章 執行機関の役割と責務
(市長の責務)
第20条 市長は、この条例の基本理念及び市政運営の基本原則を遵守して市政を推進しなければなりません。
2 市長は、地方主権の確立を担う創造性豊かな職員の育成を図り、効果的に市政を運営しなければなりません。
(市長等の就任時の宣誓)
第21条 市長は、就任に当たっては、その地位が市民の信託によるものであることを深く認識し、この条例の基本理念の実現と地方主権の確立のため、公正かつ誠実に職務を執行することを市民に宣誓しなければなりません。
2 前項の規定は、副市長及び教育長の就任について準用します。
(行政委員会の責務と委員の選任)
第22条 行政委員会は、その機能を十分に果たすとともに、この条例の基本理念に基づいて運営されなければなりません。
2 市長は、教育委員会委員、監査委員、農業委員会委員及び固定資産評価審査委員会委員の選任に当たっては、この条例の基本理念に基づき、公平性及び透明性の確保に努めなければなりません。
(平成28年条例第20号・一部改正)
(教育委員会の役割と責務)
第23条 教育委員会は、児童、生徒をはじめすべての市民に対する教育環境の充実を図るとともに、教育及び文化の発展に寄与するよう努めなければなりません。
(附属機関の委員の選任)
第24条 附属機関の委員の構成については、原則として、市民から公募した委員を加えるものとし、その選任に当たっては、公平性及び透明性の確保に努めなければなりません。
(職員の責務)
第25条 職員は、全体の奉仕者であることを自覚し、法令及び条例等の規定を遵守するとともに、能力の向上に努め、この条例の基本理念及び市政運営の基本原則に基づいて職務を公正かつ誠実に執行しなければなりません。
第7章 市政運営
(市政運営の基本原則)
第26条 市は、この条例の基本理念に基づき、総合的かつ計画的な市政運営を行わなければなりません。
(計画的市政運営)
第27条 市は、基本構想等を市政運営の基本原則に基づき策定し、実施するとともに、新たな課題に対応できるよう見直しを行わなければなりません。
2 基本構想の策定、変更又は廃止については、議会の議決を経なければなりません。
(平成28年条例第29号・一部改正)
(財政運営)
第28条 市は、予算の編成及び執行に当たっては、基本構想等に基づき、行政評価の結果を踏まえ、健全な財政運営に努めなければなりません。
2 市は、予算の執行及び決算、財産管理その他の財政に関する状況について、市民等が具体的に内容を把握できるようわかりやすい資料を作成し、公表しなければなりません。
(平成28年条例第29号・一部改正)
(組織編成)
第29条 市は、市民等にわかりやすく、市政運営が迅速かつ効果的に行われる組織を編成しなければなりません。
(行政評価)
第30条 市は、効果的かつ効率的な市政運営を行うため、毎年度行政評価を実施しなければなりません。
2 市は、前項の行政評価の結果を公表し、政策の立案及び実施、予算編成、組織編成等に反映させなければなりません。
(意見、要望及び苦情への対応)
第31条 市は、市民等からの意見、要望及び苦情を受けたときは、速やかに調査し、責任をもって応答することにより、市民等の権利及び利益の擁護に努めなければなりません。
2 市は、市民等の権利及び利益の擁護のため、オンブズパーソンを設置します。
(公益の損失の防止)
第32条 市は、市政運営上の違法な行為による公益の損失を防止し、公正性と市民等の信頼を確保するため、必要な措置を講じなければなりません。
(国及び他の自治体との関係)
第33条 市は、他の自治体との間で共通する課題の解決を図るため、連携、協調及び交流に努めなければなりません。
2 市は、国及び東京都と対等かつ協力の関係にあることを踏まえ、それぞれの役割について相互理解と連携に努め、必要に応じて自治基盤の確立に向けた国等への働きかけを行うよう努めなければなりません。
(外国人の支援及び国際交流の推進)
第34条 市は、市内の外国人が安心して生活できるよう支援に努めるものとします。
2 市は、市民等とともに国際交流の推進に努めるものとします。
第8章 最高規範
(最高規範性等)
第35条 この条例は、市の定める最高規範であり、市は、条例等を制定改廃するに当たっては、この条例の基本理念を尊重しなければなりません。
2 市は、市に関する事案について法令を解釈し、又は運用するに当たっては、地方自治の本旨及びこの条例の基本理念に基づいて、主体的に判断するよう努めなければなりません。
3 市は、社会状況の変化及び市民自治の確立に向けた取組状況を勘案し、この条例の見直しを行うものとします。
第9章 委任
(委任)
第36条 この条例の施行について必要な事項は、別に定めます。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において規則で定める日から施行します。
(平成21年規則第9号で平成21年4月1日から施行)
(経過措置)
2 この条例の施行の際、現に存する条例等は、この条例の基本理念に基づいて規定されたものとみなします。この場合において、この条例の規定と整合性を図る必要があると認めるときは、速やかに必要な措置を講じなければなりません。
附則(平成28年条例第20号)
この条例は、平成28年4月1日から施行する。
附則(平成28年条例第29号)
(施行期日)
1 この条例は、公布の日(以下「施行日」という。)から施行する。ただし、第6条第1号の改正規定(「基本計画その他の」を「これに基づく計画並びに」に、「並びにこれら」を「及びこれ」に、「基本構想及び基本計画等」を「基本構想等」に改める部分に限る。)、第27条の改正規定(「基本構想及び基本計画等」を「基本構想等」に改める部分に限る。)、第28条第1項の改正規定並びに附則第3項の規定及び附則第4項の規定は、平成29年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例による改正後の国分寺市自治基本条例第27条第2項の規定は、施行日以後に策定する基本構想について適用する。
(国分寺市まちづくり条例の一部改正)
3 国分寺市まちづくり条例(平成16年条例第18号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
(国分寺市パブリック・コメント条例の一部改正)
4 国分寺市パブリック・コメント条例(平成21年条例第29号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
附則(令和5年条例第2号)抄
(施行期日)
1 この条例は、令和5年4月1日(以下「施行日」という。)から施行する。