○国分寺市文化財の保存と活用に関する条例
平成22年12月24日
条例第24号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 文化財の指定及び管理(第6条―第8条)
第3章 市重要文化財に関する指導等(第9条―第22条)
第4章 埋蔵文化財(第23条―第25条)
第5章 文化財の調査及び活用(第26条―第31条)
第6章 国分寺市文化財保護審議会(第32条―第37条)
第7章 補則(第38条)
附則
国分寺市は、天平の昔、諸国に国分寺が配置されたときに、武蔵国の国分寺が建てられたまちである。
金堂や七重塔など往時の堂塔は、国府に向かって南面し、その背後には、緑あふれる国分寺崖線が横たわり、ふもとからは、随所に清らかな湧水が流れ出て、今も絶えることがない。
こうした恵まれた自然環境の中にあって、市内には、国指定史跡武蔵国分寺跡をはじめ、旧石器時代の石器類や縄文時代の土器、住居跡などの悠久の歴史を伝える数多くの遺跡が保存されている。
また、奈良時代に武蔵国分寺が建立されて以降、この地を経由する東山道武蔵路や鎌倉街道などが政治経済活動の上で大きな役割を担い、街道の往来により、古くから文化の伝播及び交流が進められ、江戸時代には、玉川上水や用水の恵みを受けた新田開発が行われるなど、先人が今日の暮らしの礎を築き、地域文化の発展がもたらされてきた。
今日、国分寺市は、都心近郊の住宅都市として発展し、郷土の先達が残してきた有形無形の文化財を取り巻く環境は、大きく変化しつつある。
これら文化財は、国分寺市のみならず、私たちの国の歴史や文化を正しく理解するために欠くことができないものであり、国民の文化の向上や発展の基礎をなすものである。
ここに、国分寺市は、文化財を保存、活用し、かけがえのない文化遺産を後世に伝えるとともに、それらをもととして新たな文化を創造する「歴史文化のまち、国分寺」を実現するため、この条例を制定する。
(平成29年条例第39号・一部改正)
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第3条(政府及び地方公共団体の任務)及び第182条(地方公共団体の事務)の規定に基づき、国分寺市(以下「市」という。)の区域内に存する文化財について、その保存及び活用のために必要な措置を講じ、もって歴史文化の継承及び発展を図るとともに、市民の文化の向上に資することを目的とする。
(1) 文化財 有形文化財、無形文化財、有形民俗文化財、無形民俗文化財及び記念物をいう。
(2) 有形文化財 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料をいう。
(3) 無形文化財 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で歴史上又は芸術上価値の高いものをいう。
(4) 有形民俗文化財 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能又は民俗技術に用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で生活の推移の理解のため欠くことのできないものをいう。
(5) 無形民俗文化財 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能又は民俗技術で、生活の推移の理解のため欠くことのできないものをいう。
(6) 記念物 次に掲げるものをいう。
ア 集落跡、社寺跡その他の遺跡で歴史上又は学術上価値の高いもの
イ 庭園、湧泉その他の名勝地で芸術上又は鑑賞上価値の高いもの
ウ 動物並びに動物の生息地、繁殖地及び渡来地、植物及び植物の自生地並びに地質鉱物及び特異な自然の現象の生じている土地で学術上価値の高いもの
(7) 埋蔵文化財 土地に埋蔵されている文化財をいう。
(市の責務)
第3条 市は、文化財が郷土の歴史、文化等の正しい理解のため欠くことのできないものであり、かつ、将来の文化の向上発展の基礎をなすものであることを認識し、文化財の保存及び活用が適切に行われるよう努めなければならない。
2 国分寺市教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、文化財の調査及び研究、その保存及び活用に関する情報の提供、市民等の自主的な活動の支援その他の文化財の保存及び活用に関する施策を推進するよう努めなければならない。
3 教育委員会は、市の区域内に存する文化財の所有者その他の関係者に対し、文化財の保存及び活用に関し適切な助言又は指導を行うものとする。
4 教育委員会は、この条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
(市民等の責務)
第4条 市民は、市がこの条例の目的を達成するために行う措置に協力するものとする。
2 文化財の所有者その他の関係者は、文化財が市にとって貴重な財産であることを認識し、これを公共のために大切に保存するとともに、これを公開する等その活用に努めなければならない。
(計画の策定)
第5条 教育委員会は、この条例の目的を達成するため、文化財の保存及び活用に関する計画を策定するものとする。
第2章 文化財の指定及び管理
(指定)
第6条 教育委員会は、第27条に規定する国分寺市文化財目録に登載された文化財その他の市の区域内に存する文化財(法及び東京都文化財保護条例(昭和51年東京都条例第25号。以下「都条例」という。)の規定による指定を受けたものを除く。)のうち、市にとって特に歴史上、芸術上、学術上又は鑑賞上価値が高いものその他教育委員会が重要と認めるものを次に掲げる国分寺市重要文化財(以下「市重要文化財」という。)に指定することができる。
(1) 国分寺市重要有形文化財(第2条第2号に該当するもののうち教育委員会が指定したものをいう。以下「市重要有形文化財」という。)
(2) 国分寺市重要無形文化財(第2条第3号に該当するもののうち教育委員会が指定したものをいう。以下「市重要無形文化財」という。)
(3) 国分寺市重要有形民俗文化財(第2条第4号に該当するもののうち教育委員会が指定したものをいう。以下「市重要有形民俗文化財」という。)
(4) 国分寺市重要無形民俗文化財(第2条第5号に該当するもののうち教育委員会が指定したものをいう。以下「市重要無形民俗文化財」という。)
(5) 国分寺市重要史跡(第2条第6号アに該当する記念物のうち教育委員会が指定したものをいう。以下「市重要史跡」という。)
(6) 国分寺市重要名勝(第2条第6号イに該当する記念物のうち教育委員会が指定したものをいう。以下「市重要名勝」という。)
(7) 国分寺市重要天然記念物(第2条第6号ウに該当する記念物のうち教育委員会が指定したものをいう。以下「市重要天然記念物」という。)
2 教育委員会は、市重要有形文化財、市重要有形民俗文化財、市重要史跡、市重要名勝及び市重要天然記念物(以下「市重要有形文化財等」という。)の指定に当たっては、あらかじめ当該指定に係る有形文化財、有形民俗文化財及び記念物の所有者及び権原に基づく占有者(以下「所有者等」という。)の同意を得なければならない。ただし、所有者等が判明しないときは、この限りでない。
3 教育委員会は、市重要無形文化財の指定に当たっては、当該指定に係る無形文化財の保持者又は保持団体(無形文化財の保持者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。
4 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、市重要有形文化財等にあっては所有者等、市重要無形文化財にあっては保持者又は保持団体として認定しようとするもの(保持団体にあってはその代表者)、市重要無形民俗文化財にあっては当該市重要無形民俗文化財の保存に当たっている者又は団体(以下「保存団体等」という。)があるときは当該保存団体等に、指定の通知をして行う。
5 指定の効力は、前項の規定による告示があった日から効力を生ずる。
6 教育委員会は、第4項の規定により告示をしたときは、市重要有形文化財等にあってはその所有者等に指定書を、市重要無形文化財にあっては保持者又は保持団体に認定書を交付しなければならない。
7 教育委員会は、市重要無形文化財の指定をした後においても、当該市重要無形文化財の保持者又は保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは、そのものを保持者又は保持団体として追加認定することができる。
(指定及び認定の解除)
第7条 教育委員会は、市重要文化財が市重要文化財としての価値を失ったときその他特別の理由があるときは、その指定を解除することができる。
2 教育委員会は、市重要無形文化財の保持者が心身の故障により保持者として適当でなくなったとき、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったときその他特別の理由があるときは、その認定を解除することができる。
4 教育委員会は、市重要無形文化財の保持者が死亡したとき又はその保持団体が解散したとき(消滅したときを含む。以下この項において同じ。)は当該保持者又は保持団体の認定を、保持者のすべてが死亡したとき又はその保持団体のすべてが解散したときは当該市重要無形文化財の指定を解除し、その旨を告示しなければならない。
5 教育委員会は、市重要文化財が法又は都条例の規定による指定を受けたときは、当該文化財の市の指定を解除したものとみなす。
2 市重要有形文化財等の所有者は、特別の理由があるときは、専ら自己に代わり当該市重要有形文化財等の管理の責に任ずべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。
3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、所有者は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任したときも同様とする。
4 第1項の規定は、管理責任者について準用する。
第3章 市重要文化財に関する指導等
(1) 市重要有形文化財等の所有者が氏名若しくは名称又は住所若しくは所在地を変更したとき 所有者
(2) 市重要有形文化財等の所有者の変更があったとき 新所有者
(3) 市重要有形文化財等の管理責任者が氏名若しくは名称又は住所若しくは所在地を変更したとき 管理責任者
(4) 市重要有形文化財等が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたとき 所有者(管理責任者があるときは、その者)
(5) 市重要有形文化財又は市重要有形民俗文化財の所在の場所を変更しようとするとき 所有者(管理責任者があるときは、その者)
(7) 市重要史跡、市重要名勝又は市重要天然記念物の指定地域内の土地について、その土地の所在、地番、地目又は地積に異動があったとき 所有者(管理責任者があるときは、その者)
3 教育委員会は、第1項第6号に規定する届出を受けた場合において、市重要有形文化財等の保護上必要があると認めるときは、当該届出に係る修理に関し技術的な指導及び助言をすることができる。
(1) 保持者が氏名若しくは芸名又は住所を変更したとき 保持者
(2) 保持団体が名称若しくは所在地を変更し、又は構成員に異動があったとき 保持団体の代表者
(3) 保持団体の代表者に変更があったとき 保持団体の新代表者
(4) 保持者が死亡したとき 保持者の相続人
(5) 保持団体が解散したとき 保持団体の代表者であった者
(管理又は修理に関する補助金の交付)
第11条 市重要有形文化財等の管理又は修理に要する経費は、所有者の負担とする。ただし、管理又は修理に多額の経費を要し、所有者がその負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合には、市は、その経費の一部に充てさせるため、その所有者に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。
2 前項ただし書の補助金を交付する場合において、教育委員会は、その補助の条件として管理又は修理に関して必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは、当該管理又は修理について指揮監督することができる。
(管理又は修理に関する勧告)
第12条 教育委員会は、市重要有形文化財等の管理が適当でないため当該市重要有形文化財等が滅失し、き損し、又は盗み取られるおそれがあると認めるときは、所有者又は管理責任者に対し、管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。
2 教育委員会は、市重要有形文化財等がき損している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、所有者又は管理責任者に対しその修理について必要な勧告をすることができる。
3 前2項の規定による勧告に基づいてする措置又は修理のために要する費用は、予算の範囲内でその全部又は一部を市の負担とすることができる。この場合において、教育委員会は、その負担の条件として管理又は修理に関し必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは、当該管理又は修理について指揮監督することができる。
(保存)
第13条 教育委員会は、市重要無形文化財の保存のため必要があると認めるときは、市重要無形文化財について自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置をとることができるものとし、市は、その保存に要する経費の一部に充てさせるため、保持者、保持団体その他その保存に当たることを適当と認めるものに対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。
2 教育委員会は、市重要無形文化財の保持者、保持団体その他保存に当たることを適当と認めるものに対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。
3 教育委員会は、市重要無形民俗文化財の保存のため必要があると認めるときは、市重要無形民俗文化財について自ら記録の作成その他その保存のため適当な措置をとることができるものとし、市は、その保存に要する経費の一部に充てさせるため、保存団体等に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。
4 教育委員会は、市重要無形民俗文化財の保存団体等に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。
(公開)
第14条 教育委員会は、市重要有形文化財又は市重要有形民俗文化財の所有者に対し、教育委員会の行う公開の用に供するため、当該市重要有形文化財又は市重要有形民俗文化財を出品することを勧告することができる。
2 前項の出品又は公開の期間は、所有者との同意に基づく期間とする。
3 教育委員会は、市重要有形文化財若しくは市重要有形民俗文化財の所有者又は市重要無形文化財の保持者若しくは保持団体に対し、当該市重要有形文化財、市重要有形民俗文化財又は市重要無形文化財の公開を勧告することができる。
4 教育委員会は、市重要無形文化財又は市重要無形民俗文化財の記録の所有者に対し、その記録の公開を勧告することができる。
6 教育委員会は、第1項の規定により市重要有形文化財又は市重要有形民俗文化財が出品されたときは、その職員のうちから当該市重要有形文化財又は市重要有形民俗文化財の管理の責に任ずべき者を定めなければならない。
8 教育委員会は、第3項の規定による公開及び当該公開に係る市重要有形文化財又は市重要有形民俗文化財の管理に関し必要な指示をするとともに、必要があると認めるときは、当該管理について指揮監督することができる。
(1) 補助等の条件に従わなかったとき。
(2) 偽りその他不正の手段により補助金等の交付を受け、又は受けようとしたとき。
(3) 補助等を受けた目的以外に補助金等を使用したとき。
(4) 前3号に掲げるもののほか、管理若しくは修理、保存又は公開に関し法令、条例等に違反したとき。
(有償譲渡の場合の納付金)
第16条 市が管理又は修理に関し必要な措置(以下「修理等」という。)につき補助等をした市重要有形文化財等のその当時における所有者又はその相続人、受遺者若しくは受贈者は、補助等に係る修理等が行われた後、当該市重要有形文化財等を有償で譲渡したときは、当該補助金等の合計額から当該修理等が行われた後当該市重要有形文化財等の修理等のために自己の費やした金額を控除して得た金額(以下「納付金」という。)を市に納付しなければならない。
2 納付金の額は、補助金等の額を補助等に係る修理等を施した市重要有形文化財等について教育委員会が定める耐用年数で除して得た金額に、更に当該耐用年数から修理等を行った時以後当該市重要有形文化財等の譲渡の時までの年数を控除して得た残余の年数(1年に満たない部分があるときは、これを切り捨てる。)を乗じて得た金額に相当する金額とする。
3 補助等に係る修理等が行われた後、当該市重要有形文化財等を市に譲り渡した場合その他特別の事情がある場合には、市は、納付金の額の全部又は一部の納付を免除することができる。
(現状変更等の制限)
第17条 市重要有形文化財、市重要史跡、市重要名勝及び市重要天然記念物に関し現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為(以下「現状変更等」という。)をしようとする者は、あらかじめ教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置をとる場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合は、この限りでない。
2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、教育委員会規則で定める。
(現状変更等の届出)
第18条 市重要有形民俗文化財に関し現状変更等をしようとする者は、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。
2 教育委員会は、市重要有形民俗文化財の保護上必要があると認めるときは、前項の届出に係る現状変更等に関し必要な指示をすることができる。
(環境保全)
第19条 教育委員会は、市重要有形文化財等の保存のため必要があると認めるときは、所有者等の同意を得て、地域を定めて一定の行為を制限し、又は禁止することができる。この場合において、教育委員会は、その旨を告示しなければならない。
2 教育委員会は、市重要有形文化財等について、所有者等の同意を得て、これに必要な保存施設を設置し、所有者等に管理させることができる。
(標識等の設置)
第20条 教育委員会は、市重要有形文化財等のうち必要があると認めるものについては、所有者等の同意を得て、これに必要な標識等を設置し、所有者等又は管理責任者に管理させることができる。
(報告)
第21条 教育委員会は、必要があると認めるときは、市重要有形文化財等の所有者等又は管理責任者に対し、当該市重要有形文化財等の現状、管理又は修理の状況、公開の状況、環境保全の状況、標識等の設置の状況等について報告を求めることができる。
(所有者変更等に伴う権利義務の承継)
第22条 市重要有形文化財等の所有者が変更したときは、新所有者は、当該市重要有形文化財等に関し、この条例に基づいてする教育委員会の勧告、指示その他処分による旧所有者の権利義務を承継する。
第4章 埋蔵文化財
(埋蔵文化財の保護への協力)
第23条 市民、市の区域内に土地を有する者及び市の区域内で土木工事その他埋蔵文化財の調査以外の目的で埋蔵文化財に影響を及ぼす行為又は影響を及ぼすおそれがある行為(以下「土木工事等」という。)を行おうとする者は、教育委員会が埋蔵文化財の保護のために行う施策に協力するよう努めなければならない。
(周知の埋蔵文化財包蔵地における土木工事等に関する指導及び助言)
第24条 教育委員会は、土木工事等により法第93条(土木工事等のための発掘に関する届出及び指示)第1項に規定する周知の埋蔵文化財包蔵地(以下「周知の埋蔵文化財包蔵地」という。)に存する埋蔵文化財が損傷又は散逸しないよう当該周知の埋蔵文化財包蔵地の所有者その他関係者に対し、適切な指導又は助言を行うものとする。
2 周知の埋蔵文化財包蔵地で土木工事等を行おうとする者は、都条例第57条(区市町村教育委員会が処理する事務)第1号に基づき法第93条で準用する法第92条(調査のための発掘に関する届出、指示及び命令)第1項の規定による届出をしたときは、発掘調査等の実施について教育委員会と協議しなければならない。
(周知の埋蔵文化財包蔵地以外の地域における保護措置への協力)
第25条 周知の埋蔵文化財包蔵地以外の地域において土木工事等を行おうとする者は、必要により教育委員会が実施する埋蔵文化財存否確認等の保護措置に協力するよう努めなければならない。
第5章 文化財の調査及び活用
(調査)
第26条 教育委員会は、文化財の保存及び活用に関し必要があると認めるときは、市重要有形文化財等にあっては所有者等、市重要無形文化財にあっては保持者又は保持団体、市重要無形民俗文化財にあっては保存団体等の同意を得て、その文化財を調査することができる。
(文化財目録)
第27条 教育委員会は、市の区域内に存する文化財の所在及び現状を調査し、市の歴史及び文化を知る上で必要と認めたものを登載した国分寺市文化財目録を作成し、公表しなければならない。
(市の区域外に移動した文化財の把握)
第28条 教育委員会は、市の区域外に移動した文化財について、その所在及び現状の把握に努めるものとする。
(文化財調査専門員)
第29条 教育委員会は、文化財の調査研究のため必要に応じて、国分寺市文化財調査専門員(以下「調査専門員」という。)を置くことができる。
2 調査専門員について必要な事項は、別に定める。
(文化財ボランティアの育成)
第30条 教育委員会は、文化財の保護を推進するために、文化財の保護、普及等の実践的な活動をする文化財ボランティアの育成及びその活動の支援を推進するものとする。
2 教育委員会は、前項の目的を達成するため、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(法及び都条例の規定による指定を受けた文化財に対する補助)
第31条 市は、必要があると認めるときは、法及び都条例の規定による指定を受けた文化財の管理、修理、復旧、公開その他保存及び活用に要する経費について補助することができる。
第6章 国分寺市文化財保護審議会
(設置等)
第32条 文化財の適切な保存及び活用を図るため、法第190条(地方文化財保護審議会)第1項の規定に基づき、教育委員会に国分寺市文化財保護審議会(以下「審議会」という。)を設置する。
2 審議会は、教育委員会の諮問に応じ、文化財の保存及び活用に関する重要事項を調査審議し、教育委員会に答申するほか、これらの事項について教育委員会に建議することができる。
3 教育委員会は、次に掲げる事項について、あらかじめ審議会に諮問しなければならない。
(1) 市重要文化財の指定及びその解除
(2) 市重要無形文化財の保持者又は保持団体の認定及びその解除
(3) 前2号に掲げるもののほか、教育委員会が必要と認める事項
(組織)
第33条 審議会は、委員8人以内をもって組織し、識見を有する者のうちから教育委員会が委嘱する。
2 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
3 審議会に会長及び副会長を置き、委員の互選によりこれを定める。
4 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。
5 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。
(平成29年条例第39号・一部改正)
(審議会の会議等)
第34条 審議会は、会長が招集し、会長は、会議の議長となる。
2 審議会は、委員の過半数の出席がなければ会議を開くことができない。
3 審議会の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
(平成29年条例第39号・一部改正)
(意見の聴取等)
第35条 審議会は、会議の運営上必要があると認めるときは、委員以外の者を会議に出席させ、その意見を聴き、又は委員以外の者から資料の提出を求めることができる。
(会議の公開)
第36条 審議会の会議は、公開する。ただし、国分寺市附属機関の設置及び運営の基本に関する条例(平成11年条例第26号)第5条(会議の公開)ただし書の規定に該当する場合は、当該会議の全部又は一部を公開しないことができる。
(庶務)
第37条 審議会の庶務は、教育部ふるさと文化財課において処理する。
第7章 補則
(委任)
第38条 この条例の施行について必要な事項は、別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成23年4月1日から施行する。
(国分寺市文化財保護条例等の廃止)
2 次に掲げる条例は、廃止する。
(1) 国分寺市文化財保護条例(昭和35年条例第1号)
(2) 国分寺市文化財保護審議会条例(昭和51年条例第5号)
左欄 | 右欄 |
市重宝 | 市重要有形文化財 |
市技芸 | 市重要無形文化財 |
市郷土資料 | 市重要有形民俗文化財 |
市史跡 | 市重要史跡 |
市天然記念物 | 市重要天然記念物 |
4 この条例の施行の際、旧条例第7条(告示、通知及び指定書の交付等)第1項の規定により交付されている指定書は、この条例第6条第6項の規定により交付された指定書とみなす。
5 この条例の施行の際、旧条例第11条(管理責任者)第1項の規定により選任され、同条第3項の規定により委員会に届出のなされている管理責任者は、この条例第8条第2項の規定により選任され、同条第3項の規定により委員会に届出のなされている管理責任者とみなす。
6 この条例の施行の際、現にこの条例による廃止前の国分寺市文化財保護審議会条例第4条(委嘱)の規定に基づき委嘱された委員については、この条例第33条第1項の規定により委嘱されたものとみなす。この場合において、当該委員の任期は、この条例による廃止前の国分寺市文化財保護審議会条例の規定に基づき委嘱された期間を控除した期間とする。
(国分寺市文化財展示施設条例の一部改正)
7 国分寺市文化財展示施設条例(昭和55年条例第21号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
(国分寺市まちづくり条例の一部改正)
8 国分寺市まちづくり条例(平成16年条例第18号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
附則(平成29年条例第39号)
(施行期日)
1 この条例は、平成30年4月1日から施行する。ただし、前文の改正規定は、公布の日から施行する。
(準備行為)
2 この条例による改正後の第33条第1項の規定による委員の委嘱に関し必要な行為は、この条例の施行の日前においても、同項の規定の例により行うことができる。