○国分寺市湧水及び地下水の保全に関する条例
平成24年3月30日
条例第16号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 施策の推進(第7条―第14条)
第3章 湧水等保全審議会(第15条・第16条)
第4章 雑則(第17条)
附則
国分寺市(以下「市」という。)内には、国分寺崖線の崖線樹林地や武蔵野の台地に広がる雑木林、農地等によって蓄えられた豊富な地下水が、国分寺崖線からの湧水となり、名水百選(昭和60年3月28日旧環境庁選定)に選定されているお鷹の道・真姿の池湧水群をはじめ姿見の池、大池、次郎弁天の池、新次郎池などの野川の源流域が、形成されている。
私たちは、こうした水辺環境が市民の暮らしに潤いと安らぎを与え、また、市固有の自然や歴史風土を表す市民共有の財産として次世代に引き継ぐ必要性を深く認識し、市民及び土地等所有者、事業者等及び市が適切な役割分担に基づき、協働して湧水及び地下水を保全するために、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、市民及び土地等所有者、事業者等及び市が適切な役割分担に基づき、雨水の地下涵養を推進し、湧水源の保全のための必要な措置を講ずるとともに、湧水及び地下水の汚染防止及び有効利用を図ることにより、湧水及び地下水の保全を実現することを目的とする。
(1) 湧水 市内において第3号に規定する地下水の一部が湧き出たものをいう。
(2) 湧水源 前号に規定する湧水が湧き出ている場所及びその周辺をいう。
(3) 地下水 雨水等が地下に浸透して蓄えられた市内の武蔵野砂れき層(以下「れき層」という。)付近等に存在する水をいう。
(4) 市民 市の区域内に住む者又は市内で働く者、学ぶ者若しくは公益的な活動を行う個人をいう。
(5) 市民及び土地等所有者 前号に規定する市民及び市内の土地又は建築物の所有者をいう。
(6) 事業者等 市内で事業活動又は公益的な活動を行う団体をいう。
(7) 雨水浸透施設 雨水浸透ます、雨水浸透トレンチ等、雨水を地下に浸透させる施設をいう。
(市の責務)
第3条 市は、湧水及び地下水を保全するための施策(以下「湧水等保全施策」という。)を策定するとともに、市民及び土地等所有者及び事業者等に対し、次に掲げる措置を講ずるよう努めなければならない。
(1) 湧水等保全施策に対する意見の収集及びその反映
(2) 湧水及び地下水の保全に関する情報の適切な提供
(3) 湧水及び地下水の保全に関する啓発活動
(4) 市が実施する湧水等保全施策への協力要請
(市民及び土地等所有者の責務)
第4条 市民及び土地等所有者は、湧水及び地下水が市民共有の財産であることを認識し、自主的かつ積極的にその保全に努めなければならない。
2 市民及び土地等所有者は、市が実施する湧水等保全施策に協力するよう努めなければならない。
(事業者等の責務)
第5条 事業者等は、事業活動が湧水及び地下水の保全に影響を与え得ることを認識し、自主的かつ積極的に保全のために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
2 事業者等は、市から湧水等保全施策に関する協力を求められたときは、これに応じなければならない。
(相互協力)
第6条 市民及び土地等所有者、事業者等及び市は、湧水及び地下水の保全に関わる活動、現況の把握、情報の収集等について連携し、相互に協力しなければならない。
第2章 施策の推進
(湧水等の保全施策)
第7条 市は、湧水等保全施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、都市緑地法(昭和48年法律第72号)第4条(緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画)により策定する国分寺市緑の基本計画に、当該湧水等保全施策を定めるものとする。
(湧水等の現況の把握等)
第8条 市は、湧水の湧出量及び水質並びに地下水の水位及び水質の調査を行い、湧水及び地下水の保全に関する現況の把握と情報の収集に努めるものとする。
2 市は、前項の調査の結果を公表するものとする。
(雨水の地下涵養)
第9条 市は、雨水の地下涵養を図り、水源を保全するため、次に掲げる施策を推進するものとする。
(1) 雨水の保水能力の高い樹林地、緑地、農地等の保全
(2) 都市計画法(昭和43年法律第100号)第4条(定義)第12項に規定する開発行為、建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条(用語の定義)第13号に規定する建築等における雨水浸透施設の設置
(3) 一般家庭における雨水浸透施設の設置に関する啓発活動
(4) 市が設置する学校、公園、保育園、道路その他の公共施設における雨水浸透施設の設置
(湧水源の保全に関する措置)
第10条 市長は、湧水源を保全するために必要があると認めるときは、れき層に及ぶ構造物を設ける行為及びその関連行為をする者(以下「れき層構造物等設置者」という。)に対し、次に掲げる措置を求めるものとする。
(1) 建築物の基礎工法が湧水及び地下水に及ぼす影響の事前評価及びその結果の公表
(2) 湧水源及び地下水位の観測及びその結果の公表
2 市長は、前項第1号に規定する事前評価の結果の公表があったときは、れき層構造物等設置者に対し、湧水及び地下水に及ぼす影響の少ない基礎工法の選択に努めるよう求めるものとする。
3 市長は、第1項第2号に規定する観測結果に異常が認められたときは、れき層構造物等設置者に対し、必要な調査の実施及びその結果の公表を求めることができる。
4 れき層構造物等設置者は、前3項に規定する市長の求めに応じ、速やかに必要な措置を講じなければならない。
(湧水及び地下水の汚染防止)
第11条 市は、市民及び土地等所有者及び事業者等と連携して、湧水及び地下水の汚染防止に努めなければならない。
2 市は、湧水及び地下水の水質に異常が認められたときは、必要に応じて速やかに国及び東京都と連携し、水質改善に取り組むものとする。
(井戸の適正利用)
第12条 市は、湧水及び地下水の水量及び水質への影響に鑑み、井戸の所有者及び利用者に対し、その適正な利用を求めるものとする。
(災害時の利用)
第13条 市は、災害時に湧水及び地下水を利用することができるよう、その保全に努め、必要な措置を講ずるものとする。
(国及び東京都その他の自治体との広域連携)
第14条 市は、湧水及び地下水の広域性、流動性等の自然要因に鑑み、国及び東京都その他の自治体との広域連携を緊密にするとともに、湧水及び地下水の保全のために相互に働きかけるよう努めなければならない。
第3章 湧水等保全審議会
(湧水等保全審議会の設置及び組織)
第15条 湧水及び地下水の保全に関する事項を検討するため、国分寺市湧水等保全審議会(以下「審議会」という。)を設置する。
2 審議会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項を調査検討し、その結果を市長に答申する。
(1) 第10条第2項に規定する事前評価及び基礎工法に関すること。
(2) 第10条第3項に規定する調査の実施及びその結果の公表に関すること。
(3) その他市長が湧水及び地下水を保全するために必要があると認める事項
3 審議会は、委員5人以内をもって組織し、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。
(1) 公募により選出された市民 2人以内
(2) 識見を有する者 3人以内
4 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 審議会に会長及び副会長を置き、委員の互選によりこれを定める。
6 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。
7 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。
(審議会の会議)
第16条 審議会は、会長が招集し、会長は、会議の議長となる。
2 審議会は、委員の過半数の出席がなければ会議を開くことができない。
3 審議会の議事は、出席した委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
4 委員は、自己若しくは父母、祖父母、配偶者、子、孫若しくは兄弟姉妹の一身上に関する事件又は自己若しくはこれらの者の従事する業務に直接の利害関係がある事件については、その議事に加わることができない。
5 審議会は、会議の運営上必要があると認めるときは、委員以外の者を会議に出席させ、その意見を聴き、又は委員以外の者から資料の提出を求めることができる。
6 審議会の会議は、公開する。ただし、国分寺市附属機関の設置及び運営の基本に関する条例(平成11年条例第26号)第5条(会議の公開)ただし書の規定に該当する場合は、当該会議の全部又は一部を公開しないことができる。
7 審議会の庶務は、建設環境部緑と公園課において処理する。
(平成25年条例第42号・平成28年条例第38号・令和4年条例第32号・一部改正)
第4章 雑則
(委任)
第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成24年7月1日から施行する。
(国分寺市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
2 国分寺市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和40年条例第45号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
附則(平成25年条例第42号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成26年4月1日から施行する。
附則(平成28年条例第38号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成29年4月1日から施行する。
附則(令和4年条例第32号)
この条例は、令和5年4月1日から施行する。