市長所信表明演説について

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ページ番号 1034698  更新日  令和7年7月25日

市長所信表明演説について

内容

令和7年第1回臨時会にて、市長による所信表明演説を行いました。

開催日時・会場

開催日時

令和7年7月25日(金曜日)13時30分 以降

会場

市役所 5階議場

 

市長所信表明(令和7年7月25日)

はじめに

 本日、臨時会が開会されるに当たり、市民の皆様からの厳粛な負託を受けた市長として所信の一端を述べる機会をいただきありがとうございます。

 私は、先の6月22日に行われた国分寺市長選挙において、多くの市民の皆様からご支持をいただき、市長として今後4年間、市政を担わせていただくことになりました。今、その使命と職責の重大さを痛感するとともに、良い緊張感と責任感の下、全身全霊で市政に取り組む決意を新たにしています。

 私は、市長選挙を通じ、10年後、20年後、30年後の国分寺市において、市政における「経営」の視点の重要性と国分寺市の未来のために、守るべきものは守り、変えるべきことは変えていく必要があることを訴えてまいりました。

 私が7年間の民間での経験と3期10年間の国分寺市議会議員として培った経験を生かし、市政に「経営」の視点を積極的に取り入れることで、行政サービスの効率化と質の向上を実現し、持続可能な自治体を目指してまいります。そして、「みんなが喜びを持つ前向きなまち 国分寺」を全力で実現してまいります。

 近年、国内では、少子高齢化の進展、貧困問題、エネルギー価格の上昇に伴う物価高騰、気候変動問題、大規模災害への対応など、市民生活に直結する様々な課題に直面しています。

 本市も例外ではなく、今後、生産年齢人口の減少による市税収入の減少や高齢化に伴う社会保障費等の増大など、大きな転換点にあると認識しています。さらに、公共施設の老朽化に伴う、修繕や更新にも多額の費用を要することが想定され、これまで以上に中長期的な視点に立った財政経営が求められています。

 このような状況下において、私は国分寺市に対する熱意と責任を持って、市民の皆様、職員と共に、この変化の時代に立ち向かい、明るい未来を切り開いてまいります。

 市議会議員の皆様におかれましても、格別のご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

 

 それでは、市政経営に臨むに当たり、基本的な私の考え方と方針を述べさせていただき、その上で個別のテーマについて所見を述べさせていただきます。

 まず、何のために市が存在し、行政が何を成すべきなのか、その仕事が崇高なものであることを確認したいと思います。国分寺市自治基本条例の前文では「市民が主権者であり、国分寺市は、市民の信託によって創られてきたものであることを認識し、日本国憲法に基づいて、平和を希求し、人権を尊重し、男女平等のもと市民が生き生きと暮らし活動できるまちの実現を目指し」と宣言しています。この意義を組織の長として、職員と共有し、常に目的意識と高い視座を持って「全体の奉仕者として」市民の皆様の声の有無・大小に関わらず国分寺市として必要な施策を推進し、その職務に当たってまいります。

 そして、この目的を実現するには、変化を所与のものとし、スピード感を上げる必要があると考えます。私はこれまで様々な場所で「現状維持は破滅である」という考え方をお伝えしてきました。すなわち、現状をただ継続するということ、「慣れ」は、重力のような性質を持っており、現状維持に終始していては、停滞ないし後退しかないという考え方です。常に民間と外部の動向に視野を広げ、衆知を集め、変化を求め改善を進めることで、ようやく現状維持、そして向上があるということを庁内の基本哲学として持ちたいと考えます。多様化、変化し続ける市民ニーズに的確に応えていくことを忘れずに取り組んでまいります。そして、法にのっとり、その時点における最良の判断を行うことは当然ながら、その上で失敗も起こり得るものとして、柔軟に見直す文化も醸成したいと考えます。「本気の失敗には価値がある。」市長として正しい手順・ルールに従ってなされた部下の行動・結果に対し、責任を取る姿勢を堅持します。

 また、意思決定までのスピード向上を図り、立場にとらわれない自由(かっ)達な庁内文化づくりも進めます。

 そして、私が掲げた政策については、所管課においてロードマップを作成し、進行管理と見える化を行い、公約の実現に努めてまいります。こうした積み重ねが常に成長する組織、市民の皆様に貢献できる市役所づくりにつながると確信しております。

 それでは、個別の分野・政策について何点か述べさせていただきます。

所信表明演説(議場)その1

1 子育て・教育、未来をひらく

 妊娠期から出産・子育てまで、切れ目のない子育て支援を推し進めるとともに、多様化するニーズに合わせた施策や居場所づくりなど、子育て環境の一層の充実を図ってまいります。

 また、国分寺の将来を担う子どもたちの教育環境の充実にも取り組んでまいります。

 一つ目は、温かい中学校給食の提供を実現します。まず短期的に、保温食缶方式を早急に導入します。その上で、中長期的には、あらゆる手法について、市民の皆様と共に検討を進めてまいります。

 二つ目は、教育バウチャー・学習クーポン制度を試行実施します。家庭環境や収入等の差異による、学校外教育の差を解消するため、学習塾や通信教育等で利用できるクーポンを提供してまいります。

 このほか、子育て家庭における仕事と子育ての両立を支援するため、待機児童の解消や、学童保育の拡充、「小1の壁」などの課題解決に取り組むとともに、不登校対策として市内3か所目となるトライルームの開設や、サポート教室の充実、フリースクールとの連携強化にも取り組んでまいります。

2 健康・福祉・スポーツ振興

 全ての人がいきいき健やかに暮らせるまちの実現に向けて、市民の皆様の健康づくりへの支援や、高齢期でも自分らしい生活を維持するために必要な施策の充実を図ってまいります。

 一つ目は、高齢者に対する補聴器購入費用の助成制度創設です。支援の仕組みを検討し、早期段階から補聴器を活用いただけるよう取り組んでまいります。

 二つ目は、男性HPVワクチンの任意接種事業の創設と、帯状疱疹(ほうしん)ワクチンの任意接種事業の継続です。HPVワクチンは、男性自身の疾患等の予防などにつながることが期待でき、また、帯状疱疹ワクチンの任意接種事業の継続により、50歳以上の発症予防に取り組んでまいります。

 このほか、認知症・孤立対策や、障害者の移動支援事業の拡充、居場所づくりなどにも取り組んでまいります。

 また、健康づくりの支援策として、生活習慣病・フレイル予防の推進や、生涯スポーツ・eスポーツなどをはじめとするスポーツ振興にも取り組んでまいります。

3 市民と市民、市民と行政をつなぐ

 市民の皆様により身近で、利便性を感じていただけるよう、情報発信方法を強化し、自主的な市民活動を促進することで地域活性化につなげてまいります。

 一つ目は、地域デジタルポイント制度を導入します。まず健康事業から始めますが、将来的に地域活動やボランティアへの参加に対してポイントを付与し、市内商店等で利用できる仕組みを導入してまいります。

 二つ目は、市の公式LINEアカウントを活用し、プッシュ型情報発信を進めます。市民の皆様がそれぞれ求める必要な情報をタイムリーに届ける情報発信体制を構築してまいります。

 このほか、AI活用による市民アンケート分析や市民同士のつながりを強化する地域コミュニティ支援、また「ぶんじきづきプロジェクト」として、市民目線で現在の国分寺市における不足したサービス等の拡充に取り組んでまいります。

 さらに、多様な団体、市民の皆様との連携・関係も強化し、多分野における施策充実を図ってまいります。

4 農商工業・地域経済の振興

 物価高騰に対する市民・事業者の皆様への支援の充実を図るとともに、都市農業の強みを生かし、商工業との連携を強化することにより、地域経済の活性化を推進してまいります。

 一つ目は、機動的な物価高騰対策を通じ、市民・事業者の皆様の生活を支援します。令和6年度に実施した地域応援商品券事業で得られたデータの分析を進め、地域経済の活性化につながる施策を検討し、適時・適切に実施してまいります。

 二つ目は、都市農業の推進に取り組みます。市内農業者が販売を目的に生産した農畜産物である「こくベジ」の更なる発展を目指すとともに、農業・商業・工業が一体となって、地域経済の振興を実現するための支援を実施してまいります。

 このほか、スタートアップ等への支援として、コワーキングスペースや、創業支援拠点の整備についても検討を進めてまいります。

5 環境保全・持続可能なまちづくり

 本市は自然環境と都市機能が調和したまちであることから、この個性を大切にし、次の世代に引き継いでいくとともに、新たな価値の創出にも取り組んでまいります。

 一つ目は、ドッグランを整備します。今後、市有地を活用した整備の検討とともに、東京都とも緊密に連携し、その実現に向けて取り組んでまいります。

 二つ目は、時代の変化に対応する最適な公共施設マネジメントを推進します。計画的な長寿命化や予防保全型の施設管理などにより、ライフサイクルコストを抑制します。また、複合化や多機能化を図るとともに、他用途への転用も視野に入れた施設の在り方を検討してまいります。

 さらに、グランドデザインを協議する場づくりも進め、産官学民の多様な意見をまちづくりに反映させてまいります。

 このほか、ぶんバスの運行維持と利便性の向上、安全で快適に移動できる道路・交通環境の整備、国分寺・西国分寺・恋ヶ窪駅周辺の地域特性に合わせた新たなにぎわいの創出に取り組んでまいります。さらに、ゼロカーボンシティ宣言に基づく各種取組を推進するとともに、再生可能エネルギー電力の導入の推進と共同調達の拡充の検討にも取り組んでまいります。

6 防災・防犯、安全・安心を守る

 切迫する大規模地震や激甚化する風水害に備えるため、防災・減災対策を推進してまいります。また、全ての人が安全・安心に暮らせるまちづくりを進めるため防犯対策にも取り組んでまいります。

 一つ目は、防災DXを推進します。災害リスクの可視化と迅速な避難支援体制を構築するため、AIの活用や、ドローンを活用した被害状況把握、情報発信・共有の強化、避難所運営のデジタル化などに取り組んでまいります。

 二つ目は、防犯カメラの増設に取り組みます。市内には、防犯カメラの設置が進んでいない地域があることから、計画的に地域内の死角を減らすため、防犯カメラの設置を進め、犯罪抑止力向上に取り組んでまいります。

 このほか、避難所における備品の充実やバリアフリー化の推進、災害時の広域連携の強化に向けた取組を検討してまいります。

7 文化・多様性・まちの魅力

 「歴史・文化」「日本の宇宙開発発祥の地」「新幹線技術開発の地」「農のあるまち」などの地域資源を生かし、魅力あるまちづくりを進めてまいります。

 一つ目は、魅力ある資源の効果的な活用とブランド化に取り組みます。魅力ある資源は、市外からの交流人口や関係人口の獲得につながり、経済効果も期待できることから、既存資源の効果的な活用や、新たな資源の発掘による地域のブランド化を進めてまいります。

 二つ目は、郷土愛の醸成に取り組みます。地域への誇りと関心を高め、積極的に地域活動へ参加する意欲を育むため、歴史・文化などの学びの機会の創出やシティプロモーションの効果的な運用を進めてまいります。

 このほか、多様性を尊重する多文化共生社会の構築や平和事業の推進に取り組んでまいります。

8 行政改革・行政DX推進

 近年の社会環境の変化やデジタル技術の急速な進展により、市民ニーズは複雑化・多様化していることから、DXや行政改革を推進し、効果的・効率的な行政運営を進めてまいります。

 一つ目は、行政DXを推進します。「電子申請」や「書かない窓口」などの行政手続の拡充に取り組むとともに、各課において個別の業務を取り上げ、そのプロセスを詳細に分析し、改善を行うサイクルを構築し、持続可能な行政実現と将来にわたる質の高いサービス提供を目指します。また、時代の変遷とともに、当初の目的に沿わなくなった事業の統合・縮小・撤退を進め、必要とされる事業に注力する「選択と集中」を推進します。なお、既存事業には関係者がいることから、見直しは「言うは易く、行うは難し」のテーマとなります。その業務に当たる職員に報いる評価等の制度改革を進めるとともに、必要な場面ではトップとして責任を持って対応していきます。

 二つ目は、市役所が常に変化し、成長し続ける組織となるため、より実践的な職員研修の実施、女性副市長の登用や多様な人材が活躍する職場づくりを進めます。職員には新分野の知識・経験が求められ、大きな意識改革と実行が必要となります。そのため、この変化をやり遂げるという私自身の覚悟と姿勢を示すため、市長給料月額の削減も行います。

 三つ目は、複雑化・多様化する市民ニーズに対応するために、複数の部・課にまたがる対応が求められている状況下において、機動的かつ柔軟に対処することができる、庁内横断的な市長直轄組織の設置に向けた検討や、中長期的な「経営」の視点に立った持続可能な財政運営を行ってまいります。

結びに

 以上、私の所信の一端を述べさせていただきました。

 このほかにも複数の政策・課題を掲げていますが、それらもロードマップで明示し、任期中に着実に進めてまいります。

 私は、これから今に根ざして、未来のあるべき姿を目指し、責任を持って市政を前進させてまいります。あらゆる世代の市民の皆様とのつながりを大切にし、この国分寺市を「経営」してまいります。市民の皆様が希望を持ち、子どもたちが将来に前向きになれる、持続可能なまちづくりを目指します。

 市民の皆様、市議会議員の皆様におかれましては、格別のご支援とご協力を賜りますよう、心からお願い申し上げ、私の所信表明といたします。

 ご清聴ありがとうございました。

所信表明演説(議場)その2

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