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ページ番号 1018248  更新日  平成30年4月3日

メッセージ

国分寺市長 井澤 邦夫

ペンシルロケットの公開試射が行われた当時の国分寺町は人口が2万5千人を超え、戦後の復興にむけて歩み始めた頃でした。
それから60年、軍事技術とは一線を画して進められた日本の宇宙開発は世界をリードするまでにいたり、それと共に、その原点が知恵と努力で勝ち取られたものであることが改めて見直されています。
昨年度、市制施行50周年という節目に、NPO法人日本スペースガード協会様のご厚意により、同法人が発見した小惑星に「Kokubunji」とする命名申請が出され、平成27年2月3日に国際天文学連合により正式決定されました。日本の宇宙開発が始まった記念すべき場所として、糸川英夫教授をはじめとする新たな世界を切り拓いた先人たちの熱意に敬意を表するとともに、『日本の宇宙開発発祥の地 国分寺市』を市内外に積極的に発信し、より一層まちが活性化するよう努力してまいります。
 

東京大学 名誉教授 宇宙科学研究所 名誉教授 秋葉 鐐二郎


この年つまり、1955年は大戦後やっと10年が経ち、「もはや戦後ではない」という言葉も聞かれるようになったとはいえ、まだシベリアで過酷な労働を強いられていた方々も大勢いらっしゃいました。そんな時に、糸川先生がペンシルロケットの実験をどのような考えで始められたか、そして、どのように実行にまで漕ぎつけたか、そしてその結果、何をもたらしたか?それを知り、先人の成果を讃えるのみではなく、現時点で評価し、教訓を得て、これからの社会の設計に役立てることこそ、今回のような行事の意義があるのです。わたしは、それを記憶遺産と呼んでいます。これからの時代は世代を通じて学習した事柄を次世代に伝えなければ、やがて人間社会は破局を迎えます。温故創新です。20世紀の記憶遺産を大切にし、活用しましょう。
 

JAXA宇宙科学研究所 副所長 稲谷 芳文

今、糸川先生がイプシロンロケットをご覧になったらなんとおっしゃるか、聞いてみたいものですが、ちょっと怖い気もします。
宇宙開発の黎明期に、ペンシルロケットを生み出した先生の思想は、年月を経ても決して色褪せるものではありません。我々、宇宙研メンバーもそれを引き継ぎ、次世代に誇れる「ものづくり」をしていきたい、とペンシルロケット水平発射60周年のこの時に、思いを新たにしています。
今回のイベントはその思いにあふれた試みになっておりますので、ぜひ会場に足をお運びください。
 

国立天文台 教授  阪本 成一

いまから60年前に国分寺で試射されたペンシルロケットは、戦後の資金や物資がないなかで生まれた、小さいながら独創的なものでした。そこから始まった日本のロケットは、いまやイプシロンロケットやH-IIAロケットに代表されるように、性能や信頼性の面では世界最先端に躍り出ました。軍事研究とは一線を画し、純粋に平和目的・学術目的で進められてきた日本のロケット開発を象徴するのがこのペンシルロケットです。永らく所在が不明だった実機の所在が、関係者の証言などにより明らかになりつつあり、人間であれば還暦に当たる節目の年に、現存する機体のほぼすべてを里帰りさせることができました。挑戦・工夫・平和―この機体は日本人にその重要性を語ろうとしているようです。
 

「日本の宇宙開発発祥の地」顕彰会 会長  田中 久男

私たち「日本の宇宙開発発祥の地」顕彰会は、今から10年前、ペンシルロケット発射50周年を記念して、発射実験が行われた現在の早稲田実業学校正門前に記念碑を建立しました。ここに埋めたタイムカプセルは実験から100年後の2055年に開封することになっており、これから先40年間この記念碑とタイムカプセルを守り続けなければなりません。私たち顕彰会は、「ペットボトル水ロケット発射体験」をこれからも多くの団体の協力を得ながら継続していくことを通して、糸川先生の「宇宙を科学する」という考えを次の時代を担う子どもたちに伝え、引き継いでいく活動を続けて参ります。
 

科学ジャーナリスト  寺門 和夫

60周年を迎えるにあたって、私は国分寺市にご協力をいただきながら、ペンシルロケット実験が行われた場所を正確に求めるための調査を行いました。当時の地図、JAXA宇宙科学研究所に残っている実験時の写真、航空写真などを分析し、さらに当時のことを知っている方々にお話を聞きました。
その結果、実験場所の正確な位置が明らかになりました。その場所がどこであるかは、4月11日から4月19日まで国分寺市立本多公民館ホールで開催される企画展「ペンシルロケット60年目の待ち合わせ in 国分寺」で、パネル展示される予定です。
 

宇宙航空研究開発機構 名誉教授 的川 泰宣

今年2015年は、日本で最初の宇宙を目指すロケットが発射されてから60年目に当たります。そのロケットの名は「ペンシル」。
乏しい予算しかなかった東京大学と富士精密のロケットチームでしたが、手に入ったマカロニのような燃料をもとにして、多くの小型ロケットが試作され、その中から生まれたのが、直径1.8 cm、長さ23 cm、重さ200グラムのペンシルロケットです。
来る4月12日、そのペンシルロケットを水平発射した現地である早稲田実業学校(国分寺市)で、ペンシルの還暦祝いの催しがあります。みんなで押しかけて、祝ってあげてください。
 

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